根尾加入&ロメロ獲得、もう68人に…支配下登録枠から見る中日の補強ポイント

中日のダヤン・ビシエド【写真:荒川祐史】

中日は根尾ら6人の新人が加わり、支配下登録は68人に

 プロ野球もオフシーズンに入り、各球団は来季に向けて戦力を整えている。1軍の試合に出場できる支配下登録選手の枠は上限70人。シーズン中の補強、育成選手の支配下への昇格も想定して、65から68人ほどで開幕を迎える球団が多い。

 70人の枠の中で、どのように戦力編成を行っていくかは、当然ながら球団の方針によって違う。ここでは各球団の現在の支配下登録枠の状況を見て、その球団の補強ポイントを探ってみたい。今回は中日編。

 現時点で中日の支配下登録の状況は以下のようになっている。

支配下登録:68人(60人+新人6人+新外国人1人+支配下昇格1人)
・投手33人(新人3人、右投手25人左投手8人)
・捕手8人(新人1人、右打者7人左打者1人)
・内野手14人(新人1人、右打者7人左打者7人)
・外野手13人(新人0人、右打者4人左打者6人両打ち3人)

○投手
 投手陣の大部分は10歳代から20歳代となっており、年齢構成は若い。岩瀬が現役を引退し、山井の40歳が最年長。松坂の38歳が続き、吉見や大野雄ら30歳代は6人しかいない。左投手も新助っ人のロメロや小笠原、笠原、岡田らまずまずの陣容だ。だが、今季チーム最多の13勝をあげたガルシアが抜けた穴は大きい。チーム防御率はリーグ最下位だったため、より強固にしたいところではあるが、既に支配下登録枠は68人に達している。新たな補強はトレード以外では難しく、梅津らルーキーの台頭と、若い力の台頭に現状は期待するしかないか。

内野手は成長期待、外野手も補強が必要だが…

○捕手
 捕手は8人いるが、どの選手も正捕手と呼びきれないところに苦しい事情がうかがえる。今季は大野奨と松井雅が主にマスクを被ったものの、盗塁阻止率を見ても、やや厳しい。ルーキーで石橋が加入したが、高卒であり、数年間は育成が必要。補強したいポイントではある。

○内野手
 ドラフトの目玉であった根尾が加入した内野陣。全14選手が30歳以下と若い陣容となっている。残留が決まったビシエドを筆頭に、京田、高橋、福田とまずまずの駒は揃っている。根尾も加わり、大砲候補の20歳の石垣や足の速い高松にも期待。補強するのではなく、京田、高橋に打率3割近く、福田には30発近い数字を残せるだけの成長を求めたい。

○外野手
 大島、アルモンテ、平田が構える外野陣はリーグ屈指の陣容だ。さらにモヤもいるが、この4人に続く存在が弱いか。大島が33歳、平田が30歳と、内野に比べると年齢層もやや高め。友永や遠藤らが伸び悩んでいる。育成から昇格した渡辺の成長に期待しつつも、補いたいポイントではある。

 今季はセ・リーグ2位のチーム打率.265をマークしながら、得点は同4位の598得点。防御率に至っては、12球団ワーストの4.36と崩れた。さらに、そこからガルシアが退団となった。ロメロを獲得したものの、どうなるかは未知数。ルーキー加入以外に大きな補強はまだない。支配下登録枠は開幕前としては、ほぼいっぱいの68人。思い切ったトレード策で補強に乗り出しても面白いのだが……。(Full-Count編集部)

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