矢野、金本、下柳の40歳トリオがチーム牽引 10年ひと昔、2008年阪神を振り返る

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現役引退後は2016~2018年まで阪神の監督を務めた金本知憲氏【写真:荒川祐史】

後半に失速し2.0差で2位に泣いた阪神、岡田監督は責任取り退任

 10年ひと昔という。10年前の野球界はどんな様子だったのか。2008年の野球界を数字で追いかけよう。まずは阪神タイガース。

2008年 阪神タイガース 82勝59敗3分 勝率.582 2位

 開幕から快調に首位を走った阪神だったが、後半戦に失速し巨人が猛追。10月8日の東京ドームでの直接対決で負けて2.0差で2位に泣く。監督は岡田彰布。優勝できなかった責任を取って退任が決まる。CSに進出するもファーストステージで中日に1勝2敗と敗退。チームは金本、矢野、下柳という40歳、移籍トリオが引っ張っていた。

○打線 左端の数字は打順、打率の横の()は順位

1中・赤星憲広(32歳)144試556打176安0本30点41盗 率.317(8)
2二・平野恵一(29歳)115試365打96安1本21点7盗 率.263(28)
3一・新井貴浩(31歳)94試366打112安8本59点2盗 率.306(13)
4左・金本知憲(40歳)144試535打164安27本108点2盗 率.307(12)
5右・林威助(29歳)66試177打44安2本13点1盗 率.249
6遊・鳥谷敬(27歳)144試523打147安13本80点4盗 率.281(19)
7捕・矢野輝弘(40歳)119試371打102安4本36点0盗 率.275(23)
8三・関本賢太郎(30歳)136試430打128安8本52点2盗 率.298(16)
外・葛城育郎(31歳)112試238打62安1本29点0盗 率.261
三・今岡誠(34歳)55試169打29安7本29点0盗 率.172

 金本、鳥谷がベストナイン。赤星、新井がゴールドグラブ。金本、新井の元赤ヘル組が中軸。赤星、最多犠打の平野の1、2番もよく機能したが、5番打者が固定できず、林、葛城、今岡が交代で務めた。チーム打率は2位だったが、本塁打はヤクルトと並ぶリーグ最少。バルディリス、フォードという外国人打者がいたが合わせて6本塁打。長打不足に泣いた。20代前半のレギュラーが皆無。高齢化が問題になっていた。

藤川が圧巻の防御率0.67、先発陣は下柳、岩田、安藤が安定も…

○投手陣 防御率の横の()は順位

先・下柳剛(40歳)27登11勝6敗 0SV 0HD 162.1回 防御率2.99(5)
先・岩田稔(25歳)27登10勝10敗 0SV 0HD 159.1回 防御率3.28(8)
先・安藤優也(31歳)25登13勝9敗 0SV 0HD 154.2回 防御率3.2(7)
先・ボーグルソン(31歳)12登3勝4敗 0SV 0HD 65.1回 防御率3.99
兼・アッチソン(32歳)42登7勝6敗 0SV 18HD 104.2回 防御率3.7
中・久保田智之(27歳)69登6勝3敗 0SV 31HD 85.1回 防御率3.16
中・渡辺亮(26歳)66登5勝2敗 0SV 23HD 67.1回 防御率2.67
中・江草仁貴(28歳)55登3勝1敗 0SV 9HD 58.1回 防御率2.78
中・ウィリアムス(36歳)55登5勝4敗 5SV 25HD 55.1回 防御率3.09
中・阿部健太(24歳)32登0勝1敗 0SV 1HD 51.2回 防御率2.96
抑・藤川球児(28歳)63登8勝1敗 38SV 5HD 67.2回 防御率0.67

兼=先発・中継

 久保田が最優秀中継ぎ。投手陣も40歳の下柳がエース格。左腕・岩田、安藤までは計算できたが、それ以下の先発は固定できなかった。救援陣はJFKが中心だが、ウィリアムスがやや不振。そこでアッチソンを先発から救援に回した。この年から抑えに回った藤川球児は、防御率0.67、絶対的な守護神となる。

○ドラフト会議

1位蕭一傑(投)
2位柴田講平(外)
3位上本博紀(内)
4位西村憲(投)

育成
1位野原祐也(外)
2位吉岡興志(投)
3位藤井宏政(内)

 岡田彰布監督の辞任を受けて、真弓明信が監督に就任。ドラフト会議に臨んだ。阪神は松本啓二朗(横浜に入団)、藤原紘通(楽天)を1位指名したが抽選で外れ、外れ外れ1位で蕭一傑を指名。現役選手は上本だけ。西村憲は短期間中継ぎで活躍したが、この年のドラフトはやや不作だったといえよう。

 10年後の2018年、この顔ぶれで現役選手は鳥谷敬、岩田稔、藤川球児の3人。鳥谷、岩田は衰えを感じさせるが、藤川は驚異的な活躍だ。新井貴浩は広島に復帰して今季引退を発表した。監督は真弓明信、和田豊を経て、今季まで金本知憲、そして来季からは矢野耀大(輝弘から改名)が務める。貧打という課題は依然として解決できていない。新しい元号になった2019年はどんなチームになっているだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)