水、木、金曜は英語で始業 「教科化」前に先行導入 3~6年生「楽しみながら学ぶ」模索 波佐見・東小

 長崎県東彼波佐見町湯無田郷の町立東小(池田美祐紀校長、132人)が、英語教育に力を入れている。2020年度の「教科化」を前に、新たな学習指導要領に沿った授業時間を本年度から先行導入。朝の短時間学習や英単語に触れる環境づくりを通し、楽しみながら学ぶ方法を模索している。

 14日午前8時15分、朝の持久走を終えた3年生が教室に戻ると、担任の井手敏彦教諭と外国語指導助手(ALT)のキャサリン・ロドリゲスさんが出迎えた。
 「ハウ・アー・ユー・トゥデイ?(調子はどう)」。キャサリンさんが1人に尋ねると「アイム・タイアード(疲れました)」の返事。すぐに井手教諭が「ホワイ?(どうして)」と聞くと、児童は少し考えてから「アイ・ラン(走ったから)!」と元気に答えた。
 3~6年生が毎週水、木、金曜の朝に取り組む「イングリッシュタイム」。児童は15分間、1から100まで数える手遊びや曜日を歌うゲームなどで英語を学んだ。井手教諭は「まずは英語に親しむ段階。子どもたちが『きょうは英語の日だ』と楽しみに思ってくれるように工夫している」と話す。渡辺玲菜さん(9)は「発音が難しいけど、上手にできるとうれしい」と声を弾ませた。
 20年度からの新指導要領は、3、4年生で年間35こま、5、6年生で年間70こまの英語の授業を定めている。本年度から2年間は移行期間だが、同校は先行して実践。県義務教育課によると、本年度の実践校は1割に満たないという。
 朝の短時間学習は、1こま分を週3回に分けて確保した。池田校長は「短い時間を繰り返すことで英語を話す習慣ができる」と期待する。校内の廊下や階段にはALTが作成した英単語カードを掲示。日ごろから児童の目に触れるように工夫する。「小学校に求められる英語教育の難易度が高くなっている。子どもたちが苦手意識を持たずに、中学につなげるような環境づくりを目指したい」と語る。

朝の15分間、手遊びで楽しく英語を学ぶ児童=波佐見町立東小
英単語を書いたカードが貼られた階段。日ごろから英語が目に入るようにとALTが作成した=波佐見町立東小

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