【MLB】エンゼルス、FA6人積極補強も米メディアが一刀両断 来季PO進出は「心配」

エンゼルスの看板選手として期待されているトラウト(左)と大谷【写真:Getty Images】

「トラウトの全盛期を台無しに」と特集記事を展開

 エンゼルスは今オフ、アスレチックスからフリーエージェント(FA)になったトレバー・ケーヒル投手、レッズからFAとなったマット・ハービー投手ら6選手を補強するなど精力的に動いている。だが、次々にFA市場の目玉選手を逃し続ける現状に、米メディアは苦言。「プレーオフでオオタニのホームランがみたいのに……」と、早くも来季のプレーオフ進出失敗を危惧する声が飛び出している。

「今オフ活発なエンゼルス、マイク・トラウトの全盛期をまたしても台無しにする危機的状況は変わらず」

 こう特集したのは、米テレビ局「CBSスポーツ」公式サイトだった。

 エンゼルスはケーヒル、ハービーに加え、フィリーズからジャスティン・ボーア内野手をそれぞれ1年契約で獲得。早くも6人の新戦力を加えたが、その補強には厳しい視線が注がれている。記事で「エンゼルスは実際に獲得した選手よりも、獲得しようとした選手で話題を作った」と指摘する通り、獲得に乗り出していたパトリック・コービン、ネイサン・イオバルディ、ギャレット・リチャーズ、JA・ハップという目玉先発投手は補強できず。正捕手候補だったウィルソン・ラモスも逃してしまった。

 そして、エンゼルス首脳陣に対して容赦ない意見を続けた。「エンゼルスが獲得した選手たちには失礼ながら、これではビリー・エプラーGMにとって“努力はした”というオフシーズンになっている。コービンやイオバルディらを狙ったのは良かったが、誰も獲得できていないし、ロースターは弱体化している」と一刀両断。さらに「マイク・トラウトがあと2年でFAという状況で、戦力を加えてチーム再生を目指す計画では、選択肢の減ったFA市場を活用しきれない」と続け、チーム方針も、優勝を目指すのか、再生を目指すのか「どっちつかず」と批判されている。

「10月にオオタニの左中間ホームランを見たい」

 エンゼルスファンにとって最大の焦点は、スーパースターのトラウトがFA流出する前に優勝できるか否か。2014年を最後にプレーオフ進出からも離れている中、記事では「エンゼルスの躍進が見たい。トラウトが再びプレーオフに進出するのを見たい。そして、10月にショウヘイ・オオタニが左中間ホームランを放つ楽しみを見てみたい」と切望。だが、現実問題として、このままでは「2019年も、トラウトのメジャー生活8年で7度目となる、162試合で終了という事態になる心配がある」と分析した。

 天才トラウトのキャリア2度目のプレーオフ出場、そして、逆方向に軽々とホームランを放つ大谷の「ビッグフライ」を切望していたが、記事で「トラウトは2019年も、メジャー8年で7度目となる162試合で終了という事態になる可能性を、憂慮している」とプレーオフの道のりを厳しいと分析している。

「エンゼルスはトラウト(とオオタニ)を中心にロースターをどう強化するのか見出さなければいけない。だが、この冬、ここまで彼らはほとんどできていない。ヘイローズ(エンゼルスの愛称)は改善されたか。もしかするとそうかもしれない。来年、現実的にプレーオフ進出候補になるのに十分か? 今のところ、そうは見えない」

 特集は、こう厳しいトーンで締めくくられている。エンゼルスはトラウトと大谷というタレントを最大限に生かすロースターを構築できるのか。エプラーGMの手腕にかかる期待は大きい。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2