(4)県都で二大事業計画 中心部は大きく変化へ

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 通販大手ジャパネットホールディングス(佐世保市)が長崎市の三菱重工業幸町工場跡地で、子会社V・ファーレン長崎のサッカー専用スタジアムの整備構想を打ち出した。一方、同市がJR長崎駅西側に計画しているMICE(コンベンション)施設を中核とする複合施設も整備実現へ前進した。市中心部の姿は大きく変わろうとしている。
 「運命的だった。チャンスを生かすしかない」
 4月26日、佐世保市内。ジャパネットの高田旭人社長はスタジアム構想を発表した記者会見で、V長崎の子会社化直後に工場跡地の活用策が公募されていることを知ったと振り返った。
 10月末に三菱重工と不動産売買契約を締結。約6・8ヘクタールの敷地に、2万3千人収容のサッカースタジアムや7千~8千人収容のアリーナ、300室のホテル、マンション、商業施設などを計画している。総工費500億円超。2023年の完成を目指している。
 田上富久長崎市長は「市に新たな魅力を生み出す」と歓迎している。道路・交通対策や国の税制優遇策の活用を通して支援できるよう、庁内プロジェクトチームを早期に新設したい考えだ。
 一方、会議や展示会などを開けるMICE施設整備を巡っては、スタジアム構想に伴い明らかになったアリーナ計画が市議会に波紋を広げた。整備に対する慎重論が、機能重複への懸念からさらに強まったのだ。
 市もジャパネットも「すみ分け可能」と強調する。それでも6月にMICE施設の整備予算案、9月に事業者との契約議案が市議会委員会で審議され、ともに僅差での可決だった。12月には整備の是非を問う住民投票条例案が否決されたが最後まで賛否は渦巻いた。
 施設は総事業費約216億円で来年8月に着工、21年11月に開業予定だが「来春の市長選で争点になる」とみる向きが多い。人口減少と地域衰退が懸念される長崎市で交流人口拡大の起爆剤と位置付けられるMICE施設、そこへ急浮上したスタジアム構想。県都の未来を占う二大計画の進展から今後も目が離せない。

MICE施設を中核とする複合施設(上)とサッカー専用スタジアムなどの完成予想図