金属行人(12月26日付)

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 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、今月ポーランドで開いた締約国会議(COP24)で実施指針が採択された。2020年以降、同協定に基づく取り組みがいよいよ本格化する▼国内ではパリ協定に基づく長期戦略の議論が始まっている。「温室効果ガス2050年80%削減」という日本の長期目標。まだ、国連には未提出だが、実現に向けた戦略をどう描くのかが注目される▼80%減らすには日本の温室効果ガス排出量を1960年当時に戻さないといけないという。日本の60年の粗鋼生産量は年間2300万トン強。平炉による生産が6割以上を占めていた時代だから、CO2排出量を当時と比較するのはナンセンスだが、生産規模がそれだけ減れば需要業界から悲鳴が上がるのは必至だ▼80%削減は既存の技術の延長では到底達成できない。それ故に革新的な技術の実用化が不可欠だ。政府の有識者懇談会に参加する進藤孝生・新日鉄住金社長は先週の会合で、長期戦略には「既存の技術では達成し得ない高いビジョンを目指すべき方向性・ゴールとして示すべき」と提言した▼鉄鋼連盟は今月、2100年までに『ゼロカーボン』を目指すという長期ビジョンをまとめた。ハードルは高いが、それは目指すべき価値のあるゴールだ。