ブンデスリーガは先週行われた第17節で前半戦を終え、約1か月のウィンターブレイクに入った。
前半戦を首位で折り返したのは7シーズンぶりのリーグ制覇を狙うドルトムント。2位バイエルンに勝点6差をつけ、第15節の時点で早々とヘルプスト・マイスター(前半戦王者)を確定させる好調ぶりだった。
今回は、ここまで昨シーズンを上回る結果を残している上位勢から、チームの躍進に貢献した5人のヒーローを紹介したい。
※データは第17節終了時点(12月24日現在)
パコ・アルカセル(ドルトムント)
今夏、オーバメヤンとバチュアイの後釜を探していたドルトムントにバルセロナからのローン移籍で加入したパコ。
8月末の移籍だったこともあり第3節のフランクフルト戦がブンデスデビューとなったが、その試合で早速初ゴールを決めると、前半戦だけで12ゴールと荒稼ぎ。国外クラブ初挑戦でありながら、ゴールランキングでヨヴィッチ(フランクフルト)と並んでトップに立っている。
特筆すべきは出場12試合で90分フル出場は1度もなく、502分という出場時間の短さ。これにより、42分につき1ゴールという驚異的な得点率を残すこととなっている。
バルセロナではメッシとスアレスのバックアッパーという難しい立場にいたが、その力は確かだったようだ。
アラサヌ・プレア(ボルシアMG)
第7節のバイエルン戦では敵地で3-0という完勝劇を見せるなど、ダークホースとしての存在感は相変わらずのメンヘングラードバッハ。前半戦3位の原動力となったのは、新たな得点源として頭角を現したアラサヌ・プレアだ。
今夏、クラブ史上最高額となる2300万ユーロ(約29億円)の移籍金でリーグアンのニースから加入した25歳は、同じ1993年生まれのトルガン・アザールと共に前半戦で9ゴールを叩き出し、“ダブルエース”としての地位を確立させた。
ブンデスリーガでの活躍が評価され、先月行われたウルグアイ戦でフランス代表デビューも果たしている。今まさに順風満帆の彼が、後半戦でどこまでゴール数を伸ばせるのかに期待が集まる。
ペテル・グラーチ(RBライプツィヒ)
ELと並行して戦う難しい前半戦を4位で終えたライプツィヒ。全17試合でゴールマウスに立ちリーグ最少の17失点という守備陣を牽引したのがハンガリー代表GKのペテル・グラーチだ。
2007-08シーズン、当時17歳でリヴァプールに加入するもトップチームデビューは果たせず。しかしその後移籍したレッドブル・ザルツブルクで才能を開花させ、ライプツィヒでは1部昇格を果たした2015-16シーズン後半から正GKに定着した。自身もクラブも右肩上がりの成長を続けている。
前半戦のライプツィヒはターンオーバーの影響もありDFラインのメンバーが固定できない状況だったが、その中で堅守を維持できたのは、最後尾の彼による統率がもたらしたものだと言えるだろう。
ヴァウト・ヴェフホースト(ヴォルフスブルク)
2シーズン連続で入れ替え戦の末に残留というヴォルフスブルクだが、今季は前半戦を終えて5位と復調。低迷していたチームの起爆剤となったのが今夏オランダのAZから加入した新エースのヴェフホルストだ。
197cmの長身FWは得意のヘッドで決めた第2節のレヴァークーゼン戦での初ゴールを皮切りに、17試合で6ゴール2アシストと結果を残している。
また、カウンターではチームの先頭に立って走るなど全選手中トップのスプリント回数560を記録しており、万能ストライカーとしての一面も。
11月半ばから1か月以上ノーゴールが続いているが、後半戦ではゴールを含め好不調の波を減らすプレーにも期待したい。
セバスティアン・アレル(フランクフルト)
アレルはフランクフルトで飛躍を遂げている24歳の成長株だ。
ブンデスリーガ公式HPが「マジカル・トライアングル」と名付けたアレル、ヨヴィッチ、レビッチのトリオは、トータル26ゴール13アシストと破壊力抜群だが、アレルは9ゴールを記録している。
この数字は早くも昨シーズンのゴール数に並ぶもので、8アシスト、デュエル勝利数293回、空中戦デュエル勝利数121回と三部門で全選手中トップの数字を記録。彼を止めるのがいかに困難かを証明するデータとなっている。
ちなみにチームメイトの長谷部によると、ドラゴンボールのファンという一面もあるそうだ。