マツダDPiが連日トップタイム記録。GTD予選ではNSX、RC Fがワン・ツー/IMSAデイトナテスト2日目

 1月5日、アメリカ、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイでIMSA公式テスト“ロア・ビフォア・ロレックス24”の走行2日目が行われ、マツダチーム・ヨーストの55号車マツダRT24-P(ジョナサン・ボマリート/ハリー・ティンクネル/オリビエ・プラ組)が総合トップタイムを記録した。

 前日に引き続きIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの開幕戦、ロレックス・デイトナ24時間が開催されるオーバルサーキットで行われたオフィシャルテストの2日目。この日は午前と午後のセッションに加えて、GTデイトナ(GTD)クラスの予選、さらに全クラス対象のナイトセッションという計4つの走行機会が用意された。
 
 まず、午前のセッションで速さを見せたのは1日目を総合3番手タイムで終えた55号車マツダDPiだ。ティンクネルがドライブしたカーボン地のマシンは、4日のタイムを1秒以上更新する1分34秒925をマーク。
 
 同セッション2番手には、2度のF1ワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソがドライブしたコニカミノルタ・キャデラックDPi-V.Rの10号車キャデラックDPiがトップから0.127秒差でつけ、マツダの77号車が同3番手に入っている。
 
 午後のセッションでは2018年のデイトナポールシッター、ランガー・バン・デル・ザンデ駆る10号車キャデラックDPiが非公式ながらコースレコードとなる1分34秒534を記録。これに続いたのはリッキー・テイラーがドライブしたアキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05で、タイムは1分35秒017だった。
 
 3番手には2018年デイトナウイナーのマスタング・サンプリング・レーシングの5号車キャデラックDPi-V.Rが入り、4番手以下は55号車マツダDPi、6号車アキュラDPi、コア・オートスポーツの54号車ニッサンDPiが続いている。

■55号車マツダDPiが非公式ながらレコードタイムを更新

 GTDクラスの予選セッションを挟んで行われた2019年初のナイトセッションは、マツダ勢が1分34秒台を揃えてタイムシートの上位2段を独占した。この内、トップに立った55号車マツダDPiはボマリートのドライブで1分34秒533というタイムをマーク。午後最速となった10号車キャデラックDPiを0.001秒上回って今テストの総合トップタイムを更新してみせた。

 計4台がエントリーしているLMP2クラスはドラゴンスピードの81号車オレカ07・ギブソンが、午後のセッションで1分36秒553をマークしてクラストップに。2番手には前日クラス首位となったPR1マティアセン・モータースポーツの52号車オレカが1分36秒990で続いている。

 GTE規定車で争われるGTル・マン(GTLM)クラスはこの日も大接戦模様で、全9台が1分43秒台のタイムを揃えた。その中でトップに立ったのはフォード・チップ・ガナッシ・レーシングの67号車フォードGTでタイムは1分34秒148だった。

 フォードGTは僚友66号車もクラス3番手に入りワン・スリーを形成。この間に割って入ったポルシェGTチームは、911号車ポルシェ911 RSRがクラス2番手、912号車が同4番手に入り、この結果テスト2日目はフォードとポルシェがトップ4を独占する構図となっている。

■日本車勢が活躍! アキュラNSX GT3エボ、レクサスRC F GT3が予選ワン・ツー

エイム・バッサー・サリバンの12号車レクサスRC F GT3と、アウディR8 LMSからマシンをスイッチしたマグナス・レーシングの44号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ
フォード・チップ・ガナッシ・レーシングの67号車フォードGTと、2018年チャンピオンのウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.R
ドラゴンスピードの81号車オレカ07・ギブソン
アキュラ・チーム・ペンスキーのエリオ・カストロネベス、リッキー・テイラー、アレクサンダー・ロッシ組7号車アキュラARX-05
小林可夢偉、フェルナンド・アロンソを助っ人に迎えた10号車キャデラックDPi-V.R
ホッチキス・レーシングが走らせたポルシェ962のトリビュートカラーを纏った33号車メルセデスAMG GT3

 GTDクラスは5日がテスト最終日。そのため、他クラスに先んじて本戦で使用するピットボックスの位置を決める“ピットセレクション予選”が行われた。
 
 2018年に導入されたこのシステムは、公式テストにもエンターテインメント性をもたせると同時に、いわゆる三味線を防ぐ意味合いを持つ。その概要は上位タイムをマークしたチームから順に、戦略上有利とされる1コーナー寄りのピットエリアを獲得できるというシンプルなものだ。

 そんな予選でトップタイムをマークしたのは71号車メルセデスAMG GT3を走らせるP1モータースポーツだった。しかし、最終的なリザルトでは71号車メルセデスはタイム抹消、クラス22番手(23台中)という結果に。
 
 このペナルティはP1モータースポーツが、FIA国際自動車連盟が定めるシルバーまたは、ブロンズランクのアマチュアドライバーの出走が求められるセッション中に、ゴールドランクのドミニク・バウマンをドライブさせたことが原因とアナウンスされている。
 
 この結果、暫定2番手タイムを記録していたマイヤー・シャンク・レーシング(MSR)の57号車アキュラNSX GT3エボが予選首位を獲得。暫定4番手から3番手に繰り上がった僚友86号車NSXとともにクラス最前列のピットエリアを獲得することとなった。
 
 MSRに続いたのは通算2勝を挙げた3GTレーシングからレクサスRC F GT3を受け継いだ、エイム・バッサー・サリバンの12号車レクサスRC F GT3。3番手には毎年シリーズチャンピオン争いに加わる強豪、ライリー・モータースポーツ・チームAMGの33号車メルセデスAMG GT3が入った。

 DPi、LMP2、GTLMの3クラスが残るテスト最終日は1月6日、前日までの二日間と同様にデイトナで実施される。3日目は前述の3クラスでもピットセレクション予選が実施される予定だ。

P1モータースポーツの71号車メルセデスAMG GT3
ピットセレクション予選で首位となったマイヤー・シャンク・レーシングの57号車アキュラNSX GT3エボ
マツダを象徴する“ソウルレッドクリスタルメタリック”をまとった77号車マツダRT24-P
ロイック・デュバルとロマン・デュマを擁すコア・オートスポーツの54号車ニッサンDPi
“激戦区”GTLMクラスを戦うコルベット・レーシングの4号車コルベットC7.R
レッドの識別灯を点灯させて走行するフォード・チップ・ガナッシ・レーシングの66号車フォードGT。僚友67号車はブルーのライトを使用する。
2019デイトナ24時間 GTDピットセレクション予選結果(PDF)

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