高炉3社の18年安全成績、死亡事故が再び増加 災害発生件数は減少

 高炉大手3社の2018年の安全成績(速報、鉄鋼部門のみ、協力会社含む)がまとまった。製鉄所内での労働災害の発生件数は前年比7件減の51件、事故による死者数は同3人増の6人だった。発生件数は減少傾向をたどったが、死者数は2年ぶりに増加へ転じ、重篤な災害を未然に防ぐための安全対策に課題があることが改めて浮き彫りになった。各社とも災害の発生状況を踏まえて対策を徹底する。

 企業別に見ると新日鉄住金の休業災害件数は同8件減の20件(直営社員10件、協力会社社員10件)だった。この結果、休業災害の発生頻度を示す度数率(100万労働時間当たりの休業災害件数)は前年の0・14から0・04ポイント改善し、過去最少の0・10となった。

 一方、新日鉄住金の製鉄所内での死者数は前年比で2人多い3人(直営社員1人、協力会社社員2人)だった。新日鉄住金は16年に死亡災害が多発したことを受け、17年を「安全体質特別強化年」と位置付けてソフトとハード両面で安全の取り組みを強化。さらに昨年は対策の定着に力を入れてきた。度数率では一定の成果が現れた形だが、死者数は16年以来2年ぶりに増加し、重篤な災害をどう防ぐかが引き続き大きな課題となる。

 JFEスチールは休業災害が前年と同じ18件(直営7件、協力会社11件)、度数率は前年並みの0・17だった。一方、死者数は前年と同数の2人となり、内訳は直営社員1人、協力会社社員1人だった。

 神戸製鋼所は休業災害13件(直営4件、協力会社9件)で前年より1件増えた。度数率は0・37(前年は0・33)となり2年連続で悪化した。死者数は1人。一昨年までは2年連続でゼロだった。

 同社の鉄鋼事業以外も含む全社の重大災害は17件、死者数は1人、度数率は0・26だった。

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