【平成の長崎】NPT再検討会議NGOセッションで被爆者代表谷口さん訴え

平成22(2010)年

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 米ニューヨークの国連本部で7日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の非政府組織(NGO)セッションがあり、各国代表らを前に、訪米中の長崎原爆被災者協議会長の谷口稜曄さん(81)が被爆者代表で証言、核兵器廃絶を訴えた。平和市長会議の立場でプログラム最後に登壇した田上富久長崎市長は、核兵器禁止条約への努力を始めるよう強く求めた。

 NGOセッションは、同本部仮設北側ビルであり、カバクトゥラン議長をはじめ、各国代表やNGOの約400人が出席した。

 谷口さんのスピーチは、時間短縮のため原稿の2割を本人が述べ、8割は女性通訳者が英語で代読。谷口さんは、背中が焼けただれた被爆翌年の写真を示し、空前の惨劇とその後の苦痛を伝えた。「人間が人間として生きていくためには、地球上に一発たりとも核兵器を残してはなりません」。証言が終わると同時に、各国代表らは立ち上がり、拍手を送った。

 田上市長は、全文を英語でスピーチ。核の抑止力に頼ったことで世界全体が核兵器の脅威にさらされている現実への直視を求め、核兵器のない世界だけが国際社会の永続的な安全を保障すると指摘。「被爆者の苦しみを私たちは本当に理解できたでしょうか」と問い掛け、被爆者の声に耳を澄ませることを促した。

 秋葉忠利広島市長も登壇。被爆者の平均年齢が75歳を超えているとして、2020年までの核廃絶の必要性を指摘し、「被爆者が生きている間の核廃絶に必要なのは政治的な意志だ。未来の世代のために力を使ってほしい」と呼び掛けた。(平成22年5月9日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

1946年当時の自分の写真を示して原爆のむごさと核兵器廃絶を訴える谷口さん=7日、米ニューヨークの国連本部