先日行われたトルクメニスタン戦で苦しい試合を経験した日本代表。大会の初戦は難しいものになるのが通例だが、間一髪で敗戦を免れたといえるような内容だった。
大きく評価を落とした森保ジャパンにとって、13日の午後10時半から行われるグループステージ第2節は前回以上に重要なものとなる。
その相手となるオマーンにはどんな選手がいるのか?Qolyでは6人の選手をピックアップして紹介する。
ファイズ・アル・ルシャイディ(GK)
オマーンの名門アル・スワイクで長く守護神を務め、現在はサウジアラビアの2部リーグでプレーしている選手。
フルメンバーであればあのアリ・アル・ハブシがナンバーワンであるため知名度は低いものの、彼も一昨年のガルフカップでチームを優勝に導き、大きく評価を高めた。特にUAEの絶対的司令塔オーマル・アブドゥルラフマンのPKを2度止めたことは、タイトル獲得に不可欠なプレーだった。
鋭い反射神経に、カウンター攻撃につなげていくキック、豊かなジャンプ力。PKストッパーとしても有名であり、難しいときにこそ力を発揮する男だ。
ムフシン・アル・ハルディ(MF)
オマーンの絶対的司令塔と言える「10番」。30歳ながら代表に定着したのは2015年とやや遅咲きだったが、前回のアジアカップで途中出場からインパクトを残し、急速に立場を固めていった。ちなみに前回大会は「ムフシン・ジョハール」登録だった。
すらっとした左利きの選手で。強さはそれほどないもののテクニックとセンスはピカイチ。前を向いたときに繰り出される鋭いパスは、相手ディフェンスの脅威となる。一昨年のガルフカップで優勝を決めたPKを担当したのも彼である。
もちろんセットプレーのキッカーとしても重要な存在であり、オマーンの攻撃を支える存在と言える。
アハマド・ムバラク「カノー」(MF)
まだ33歳であるが、代表キャップ164試合を誇る大ベテランだ。この数字はサッカー界の歴史上でも10位になる記録で、現役選手でに限ればブッフォン、カシージャス、アル・ムターワー(クウェート)に次ぐ4位だ。
ボランチの位置からチームのバランスを取るプレーは、このオマーンに欠かせないものの一つ。守備をベースに組み立てるカウンターを支える存在だ。日本にとって「いやらしい」選手になることは確実。
我々にとっては2012年、ブラジルW杯の予選で日本代表相手にグラウンダーのフリーキックを決めた選手としても印象深い。その際日本を救ったのは89分にゴールを決めた岡崎慎司だった。
ラーイド・イブラヒム・サーレフ(MF)
若き頃にあのポール・ル・グエンに突如見出され、オマーン代表の中心的なアタッカーになった。デビューしたころから、その聡明さとテクニックは傑出していた。
現在オマーンのフィールドプレーヤーで唯一欧州のクラブに所属しており、マルタの名門ヴァレッタでレギュラーを掴んでいる。
昔はひ弱だったが、身体的にも成長を遂げた。高いキープ力に動きの質を兼ね備え、左サイドからドリブルで自ら持ち込むことも、周りをうまく使うこともできる。オマーンの攻撃を支える存在だ。
アリ・アル・ブサイディ(DF)
実はオマーンの攻守に渡って存在感を発揮するのが左サイドバック。アル・ブサイディの上下動と左足から繰り出されるボールは魅力的だ。
特に周りを使うことができるラーイド・イブラヒムとの縦のコンビは成熟しており、レベルの高い相互関係を誇る。
ウイングもこなせる攻撃力と運動量が魅力で、クラブではフリーキックも担当する技術がある。体格的には優れていないものの、俊敏で機動力豊かである。彼をいかに自陣に押し込むかは、日本代表にとっての重要なタスクになるだろう。
ハーリド・アル・ハージリ(FW)
数年前までオマーンはアブドゥルアジズ・アル・マクバリという選手がエースだったが、そのレギュラーポジションを奪ったのが24歳のアル・ハージリである。
アル・マクバリと同じく左利きだが、前線で動きながら起点となる前任者とはスタイルがわずかに異なる。体格はあるが空中戦はそれほど得意ではなく、左足の鋭いシュートを武器としている選手だ。
そう言った意味ではムフシン・アル・ハルディの決定的なパスを生かすシューターという存在である。代表21試合で11ゴールを決めてきた彼の得点力をいかに削ぐか、守備陣の活躍に期待したい。