【MLB】ダルビッシュ復活へ米紙期待「昨年の罪滅ぼしへ」 ファンは「未だ待っている」

カブス・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

来週金曜にブルペン入りへ、地元紙「筋肉が強さと健康さを示している」

 昨年9月に右肘のクリーニング手術を受けたカブスのダルビッシュ有投手が今季の完全復活へ着実に前進している。18日(日本時間19日)にファン感謝イベントに参加。米複数メディアが昨年5月を最後に実戦登板のない右腕の談話をもとに、故障からの復活へ順調にステップアップしていることを報じている。

「ユウは真剣? ダルビッシュが(カブスの)デビューイヤーだった昨年の罪滅ぼしへ」との見出しで伝えたのは、地元紙「シカゴ・サンタイムズ」だ。同紙は「4度のオールスターに選出されたダルビッシュは腕が健康であり、クリーニング手術から4か月が経ち、強くなっていると言った。来週金曜からマウンドで投球を開始する予定だ」と報じ、2月中旬に始まるスプリング・トレーニングへ順調なことを報告した。

 右腕の度重なる故障に苦しんだ昨季は8試合登板、1勝3敗、防御率4.95だった。同紙は「日本、テキサスでの5年半、忘れられないワールドシリーズでの登板もあったロサンゼルスでの数か月というキャリアを通して、昨年のようなシーズンを送ったことがなかった」と指摘。「シーズン終盤に骨の打撲と診断される前、上腕三頭筋の張りにより故障者リスト入りし、丈夫さが疑問視された。彼を批判的に見ている人たちの中には多くのメディアやアレックス・ロドリゲスやリック・サトクリフらも含まれた」。同紙はキャリアワーストだったのは右腕の度重なる故障が原因だと伝えた。

 ダルビッシュは昨年2月に6年総額1億2600万ドル(約137億円)でカブス入り。昨季のような成績では当然、大型契約に見合わない。だが、19年シーズン中の復活へ向けては、順調に歩みを進めているようだ。同紙は「キャンプが始まるまで1か月を切り、彼の変わらない握力と15ポンド増した筋肉が強さと健康さを示している。彼は変わろうとしていると誓った」と談話を元に右腕の現状を紹介している。

リハビリは順調「開幕に問題なく間に合う」

 ナショナルズからFAとなっているブライス・ハーパーの獲得が期待されたカブスだが、FA市場でこれまで目立った動きはない。記事では「カブスが夢の争奪戦に参加するための資金を持っていないのはダルビッシュが大きな理由だ」と右腕との大型契約を資金難の理由に挙げつつも、「(彼を悪くしたのは)キャリア史上最高の契約を得たことか? 新しいチームと都市のせいか? カブスが持つ金魚鉢のような、どこからも丸見えの環境か? 大型契約による補強なしでチーム向上を必死で目指す資金難のチームにとって、ダルビッシュの復帰が鍵となる」と期待した。また、セオ・エプスタイン編成本部長の「彼はインパクトのある選手だが、昨年はプレーできなかった。2年目のシーズンに期待している」とのコメントを紹介し、ダルビッシュが「チームやファンに昨年できなかったことをもたらしたい」と語ったことを伝えている。

 さらに、大リーグ公式サイトは「マウンドへの復活が近づいているダルビッシュが自信」との見出しで、「今週末に遠投、来週の終盤までにマウンドに上がることを予定している。ダルビッシュは開幕に問題なく間に合うと思っている」と右腕のリハビリの過程をレポート。「現状ではレスター、ヘンドリクス、ハメルズ、キンタナと共に先発ローテを組む。ダルビッシュが健康であることで、モンゴメリーをブルペンにスライドし、チャットウッドを状況に合わせて使い分けすることができる」と今季の起用法を予想し、「昨年ダルビッシュと超大型契約を結び、野球界を驚かせた。チームもファンもダルビッシュが大型契約に見合っていると示してくれることを未だ待っている」と期待を込めた。

 ダルビッシュが所属するカブスは今季、大谷翔平投手がいるエンゼルス、菊池雄星投手が新加入したマリナーズとの対戦も控えている。後輩との直接対決はもちろんだが、シーズンを通したダルビッシュの完全投球を期待したい。(Full-Count編集部)

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