平和案内人とガイドが研修会 被爆者の中村さん講話

 被爆の実相を伝える平和案内人と、修学旅行生の平和学習をサポートする長崎平和ガイドの合同研修会が19日、長崎市平野町の長崎原爆資料館平和学習室で開かれた。出席した約110人が、爆心地から1・2キロの浦上地区にあった被差別部落の自宅で2歳の時に被爆した中村由一さん(76)の講話を聞いた。

 平和案内人は長崎平和推進協会が2004年度から取り組むボランティアガイドで、現在163人が登録している。長崎平和ガイドは長崎国際観光コンベンション協会が昨年4月に設置。修学旅行生が平和や核問題についてより効果的に学習できるよう案内している。

 中村さんは長崎の歴史を語り、被差別部落が浦上地区にできた経緯などを解説。原爆投下時、中村さんは爆風で吹き飛ばされ、近所の人に即死だと思われていたことや、入学した大浦地区の小学校で「カッパ」「ハゲ」「ゲンバク」などと呼ばれ、いじめを受けたと話した。

 中村さんは「原爆や被差別部落の人の闘いには学ぶことがたくさんある。活動できる間は、自分にできることを続けたい」と思いを述べた。

平和案内人と長崎平和ガイドに向けて講話する中村さん=長崎原爆資料館

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