2018年の「ニューヒーロー」遠藤渓太が描く、東京五輪への道筋

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アンジェ・ポステコグルー監督が就任し、大幅なスタイルの転換が話題となった2018シーズンの横浜F・マリノス。結果は12位に終わったが、チーム総得点は優勝した川崎フロンターレに次ぐ56。これまで長く堅守が売りだったチームは一年で劇的な変化を遂げた。

その中で、キラリと光るプレーを見せた一人が遠藤渓太だ。

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プロ3年目の攻撃的MFは、自慢の快速と前への推進力を武器に、J1で27試合に出場し2ゴール。YBCルヴァンカップではチームを決勝まで導く活躍を見せ、後の日本代表選手たちが名を連ねる同大会のニューヒーロー賞に輝いた。

来年に迫った東京五輪世代の一人としても注目をされるサイドアタッカーに話を聞いた。

やりがいのあるスタイル

――遠藤選手にとって昨シーズンは率直にどういった一年でしたか?

プロ3年間の中で一番試合に出ることができたシーズンでした。継続してスタメンで出ることが初めてだった中で、チームとして手応えがある時期もありつつ苦しい時期もありました。

その苦しい時期をしっかり自分自身で乗り越えましたし、チームとしても残留できました。残留したということもあるんですが、それ以上にチームとしてやっていくプレースタイルの方向性がつかめたので、次のシーズンに向けて手応えのある一年でしたね。

――新たにアンジェ・ポステコグルー監督が就任し、チームカラーというかスタイルがガラッと変わりました。遠藤選手自身の中ではこの変化をどう受け止めていましたか?

それぞれのポジションに求められる役割が大きく変わりましたし、守備も攻撃もやり方が変わりました。

僕は代表(※1月のAFC U-23選手権)に行っていたため出遅れた部分がありましたが、その中で監督が何を求めているかというのをしっかり自分なりに考え、練習や試合に取り組んだことで使ってもらえるようになったと思います。

チームとしては、得点など数字的な記録も残せていますし、後は失点を減らせば上に行けると思うのでそこをしっかり対応していきたいです。

――自身としてもやりやすい、モチベーションの上がるスタイルですか?

自分の特徴を出しやすいフォーメーションであり戦術だと感じています。自分としてはやりがいがあります。

――左サイドに入ることが多かったですが、後ろに山中亮輔選手、中盤左にも天野純選手と日本代表選手が近くにいました。彼らとはどんな関係性を築くことを意識しましたか?

僕のところにボールが回ってくることが多かったですし、左サイドの攻撃の比重が大きいなというのは感じていました。

山中選手は中央でもプレーできますし、外に走らせてのクロスでもチャンスを作ってくれる選手なので、外に張っているだけではなく中と外の入れ替わりを柔軟に考えていました。天野選手に関しては、ターンするタイミングや裏に出してくれるボールのタイミングは自分なりにはわかっているつもりです。

パスを出してくれる選手がいないと僕自身活きないと思っているので、あの二人がいてくれたのは心強かったですね。プレーし続けていく中で、声をかけなくてもお互い通じる部分もありました。

※山中はこのオフに浦和レッズへ移籍。

「代表での手応えは正直まだない」

――ポステコグルー監督からはシーズン中どのようなことを言われましたか?

気持ち的に負けるなということはすごくよく言われました。目の前の相手を抜くということと、恐れてプレーすることをすごく嫌う監督なので僕に限らず誰に対してもそのことは言っていました。これまではあまり言われてこなかった部分でした。

――昨年はU-21代表としても大会などに出場しました。クラブと代表で当然役割の違いもあると思いますが、代表に行って感じた部分は何ですか?

東京五輪までの時間は少ないと思っていますし、監督にはまず自分のチームで試合に出ていないと代表には呼べないと常々言われています。

僕も何度か代表に呼ばれましたけど、そこで手応えを感じたことは正直まだありません。もっとできると感じている中でなかなかうまくいっていませんし、いつが最後のチャンスになるかも分からないので、まずはしっかりチームで試合に出ることがオリンピックへの近道かなと思っています。

――代表ではウイングバックとして出場することが多いです。クラブとはやるべきこともだいぶ異なると思いますが、その中での自分の課題はどこだと感じていますか?

クラブでも守備を求められますが、代表の場合は5バックの形で最終ラインに入ることも多いです。そうなるとやはり守備の重みが変わってきますし、攻撃と守備のバランスを取るのがなかなか難しいです。

――昨シーズンはYBCルヴァンカップでニューヒーロー賞に輝きました。

準決勝の鹿島アントラーズ戦など、成長できたという手ごたえを感じる大会でした。ただ、不運な形(※リーグ戦で負傷)で湘南ベルマーレとの決勝に出場することはできず、不甲斐なさも感じました。

結局怪我をするのも自分の中に原因があると思っているので悔しさとかもどかしさもあったんですけど、逆にそれを糧にして今シーズン以降やっていきたいです。

――2019年の目標はどこに設定していますか?

昨シーズンは多くの試合に出場することができたのですが、個人としては2得点しかできませんでした。僕がもっと点を決めていれば横浜F・マリノスもおそらくそこまで苦しまずに済みましたし、もっと上の順位に行けたと思います。だから来年はしっかり数字という結果を残せるようにしたいです。

――その点では、同年代の堂安律選手の存在が刺激になる部分もありますか?

彼は「オリンピックの前にA代表に入る」と自ら宣言していた記憶があります。それを有言実行し、ゴールも決めている。尊敬しますし、すごく刺激になる存在です。

――遠藤選手は“相棒”としてadidasのスパイク『エックス 18』を着用しています。スパイクに一番求めることは何ですか?

僕は履きやすさと軽さです。新しいスパイクを履いた時に足が痛かったりすることもあるのですが、それがないスパイクが好きです。足が痛い時間がある中で練習するのってもったいないじゃないですか。だから最初のフィーリングだったり、軽さだったりを重視しています。アッパーのこだわりとかは特にないですね。

『エックス 18』の新色「イグジビットパック」がお気に入りの様子だった遠藤。下部組織から横浜F・マリノス一筋ということを考えると、カラーリング的に納得だろうか。

昨シーズンから付ける11番は坂田大輔や齋藤学といったアカデミーの先輩たちが長く背負っていた番号であり、期待の表れでもある。東京五輪を翌年に控えた今シーズンはポステコグルー監督のもと、さらに成長した姿を見せたいところだ。