ベンフィカ、「出場ゼロ」の小久保玲央に興味をもったキッカケは?

ポルトガル1部リーグのベンフィカは25日、柏レイソルU-18のGK小久保玲央ブライアンと契約したことを公式発表した。

契約期間は2023年までで、当面は23歳以下のチームと2部リーグに参加するBチームに所属する。

海外の日本代表最新情報、Jリーグ超ゴールはこちら

18歳の小久保玲央ブライアンは、ナイジェリア人の父親とバスケットボール経験者である日本人の母親のもと千葉で生まれ育った。

彼はU-16~18日本代表の経験をもち、昨年には柏で2種登録(ユースのままJで出場が可能となる)をされているがトップチームでの出場はない。

そんなデビューもしていない選手を、ポルト、スポルティングと並ぶ同国3強の一角で、欧州有数の人気を誇る名門クラブがどのようにして目を付けたのだろうか?

ベンフィカの公式サイトには獲得のきっかけともなったことが綴られている。それは当時Qolyでも取り上げたが、2018年1月にカタールで開催されたアルカス国際カップのことだった。

同大会はジュニアユースからユース年代の選手を対象にした国際大会で、カタール国立の育成機関であるアスパイアアカデミーのほか、レアル・マドリーやバイエルンなど名だたるビッグクラブも参加する。

現在UAEで開催中のアジアカップでカタール代表は準々決勝で韓国を撃破し4強入りしているが、こうした若年層での経験が後の大きな成功にも繋がっているのだ。

そんな同大会に柏は毎年のように参加しており、2018年は準決勝でベンフィカのユースチームと対戦。試合は3-3で終わりPK戦の末に柏が決勝へ進出したのだが、この試合で柏のGKを務めていたのが小久保であった。

どうやらこの時の活躍が獲得の動機へと繋がり、彼が23日に18歳の誕生日を迎えたことで(※)契約する運びとなったようだ。

「柏から世界へ 」を掲げる柏はユースチームが世界各地の国際大会に果敢に挑戦しており、それが欧州のビッグクラブやそのスカウトらの目に触れる機会となっている。

今冬だけでも同ユース出身の中山雄太(ズウォレ)、安西海斗(ブラガ)が愛着のある柏を離れ、遠く海外へと旅立っていた。

小久保のようにプロを介さずに欧州へ渡ることの是非はあるところだが、少なくとも彼らが掲げる方針が実を結んだ結果といえるであろう。

※FIFAは現在、18歳未満の選手の国外移籍を禁止している

© 株式会社ファッションニュース通信社