メクル第340号 病院の囲碁教室で腕磨き 長崎・琴海形上町

 パチ、パチ、パチ…。碁盤(ごばん)をはさみ、真剣(しんけん)な表情(ひょうじょう)で対局するのは子どもたち。琴海(きんかい)囲碁教室は、長崎市琴海形上(かたがみ)町のニュー琴海病院で毎週土曜日に開かれています。NPO法人長崎こども囲碁普及(ふきゅう)会事務(じむ)局長の深堀暢師(ふかほりまさし)さん(34)を講師(こうし)に小中学生ら約20人が腕(うで)を磨(みが)いています。

 市立三重小6年の小方(おがた)昭力(しょお)君(12)もその一人。たまたま囲碁と出合う機会があり、4年のころから習っています。この2年の間に、一般(いっぱん)的に10年はかかるといわれる初段(しょだん)になりました。

 小方君は、深堀さんの表情をうかがいながら果敢(かかん)に挑戦(ちょうせん)。「囲碁の魅力(みりょく)は攻(せ)めるところ。10手先まで読み、思惑(おもわく)通りにできると楽しい」と教えてくれました。

 小方君の上達の秘訣(ひけつ)は「考えることが好きで負けず嫌(ぎら)い。妥協(だきょう)がないこと」(深堀さん)。囲碁歴20~30年のお年よりに胸(むね)を借りることもあります。その時は対局内容(ないよう)を後で紙に書き出し、教室で復習(ふくしゅう)することもあります。すごい記憶(きおく)力ですね。向上心もあります。将来(しょうらい)の夢(ゆめ)はサッカー選手ですが、「囲碁は一生続けていきたい」と話していました。

深堀さん(右)の指導を受ける小方君=ニュー琴海病院

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