ウォルフ、メルセデスF1内でのドライバー同士の扱いに悩む「どうすれば上手くいくか、いまだに分からない」

 5年連続でドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権を制したメルセデスF1チームのトップを務めるトト・ウォルフは、いまだにドライバー同士を自由に戦わせるべきか、明確なナンバーワンを選ぶべきかで悩んでいるという。

 近年F1では圧倒的優位に立っているメルセデスだが、過去にはルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが3シーズンにわたってチーム内でのバトルを繰り広げた。これはウォルフにとって、扱うことが非常に難しい状況だった。

 しかし、ハミルトンの5度目のタイトルを確実にするためにバルテリ・ボッタスにチームオーダーを出すことは、チームポリシーを正しく遂行することに疑問を抱くウォルフにとって、相反する状況だったという。

「この件については賛同してもらわなくても構わない。私もどうすれば最も上手くいくか、分からないのだ」とウォルフはオランダのFormule 1誌でのインタビューで述べている。

「フェラーリ、マクラーレン、レッドブル、そして我々が優勢だった状況を思い返してみると、必ず非公式なナンバーワンがひとり存在している」

「一方で、互いに追いかけ合うドライバーがふたりいることはアドバンテージになるかもしれない。なぜならチームには、より速くなってパフォーマンスも改善する可能性があるからだ」

 ドライバー同士を自由に戦わせた場合、一触即発だったハミルトンとロズベルグのペアをウォルフが見てきたように、チームが不利益を被る可能性もある。

「ドライバー同士の関係が悪くなることもある。それがエンジニアに向かってしまうと、チームにも影響する。だから何が最適なのかは分からない」

「ただし、ふたりのドライバーが互いを認め合い、コース上で競い合えることができれば理想的だ。しかしそれは、コース上だけにしてほしい」とウォルフは締めくくった。

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