レース運営に関わるコンコルド協定が2020年末に失効。F1オーナーは代替案策定を望むも実現は困難か

 2019年のF1シーズンはまだ始まってすらいないが、すでに2020年末に注目が集まっている。というのも、現在のコンコルド協定が2020年末に失効となるため、新たな協定を結ぶか、あるいは他の協定を作らなければならないからだ。

 1981年に初めて有効となったコンコルド協定は、FIA、各F1チーム、フォーミュラ・ワン・グループ、リバティ・メディアが締結している契約だ。協定にはどのようにF1を運営しルールを策定するか、そしてテレビ放映権、サーキットの広告、またその他のものからの商業収入をいかに分配するかといったことが定められている。

 ここ数年の間、フェラーリはコンコルド協定においてチームが求める条件が満たされないのであれば、F1を去ると何度も警告してきている。しかし2018年の7月にフェラーリのCEOに就任したルイ・カミッレーリは、関係者全員が合意と妥協点を見出すことができるだろうと自信を持っている。

カミッレーリは2018年に、以下のように語っていた。

「基本原則において、F1のDNAが変わることはない」

「その原則とは、自動車技術と革新の最高峰であるということだ。ファンにとって、レースは激しい競争のあるエキサイティングなものになるだろう。そしてF1は発展を続けるのだ」

「そうした原則が念頭にあれば、誰もが合意すると私は考えている。だがどのように合意に至るかは、また別の話だ」

「これには3点の構成要素があると考えている。その要素とはテクニカルレギュレーション、財政面、および運営面だ」

「結局のところ、この3点をまとめなければならない。私はそれが可能だと自信を持っている。全員がこれに合意できるようにと、この件に関心を持っている」

「これ以上のことを話す用意はない。なぜなら私はメディアを通じて交渉するようなことはしたことがないし、これからもする気はないからだ」

 フォーミュラ・ワン・グループのCEO兼会長を務めるリバティ・メディアのチェイス・キャリーは、コンコルド協定の代替案を策定したいと述べている。しかしコンコルド協定よりも優れた内容の協定を、2年に満たない時間で策定するのは難しいかもしれない。

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