世界ラリークロス:フォード、2021年導入の電動クラス参戦に意欲。「最高のプラットフォーム」

 2021年に最高峰クラスの完全電動(EV)化が予定されてるWorldRX世界ラリークロス選手権。2016~17年まで参戦チームにワークスサポートを行ったフォードは、EVで争われるラリークロスに参戦意欲を示した。

 市販車はもちろん、モータースポーツ界でも二輪・四輪を問わずに採用が拡大しているEV。排ガス規制などが厳しい欧州で人気を得ているWorldRXも、この流れに乗って当初は2020年から最高峰のスーパーカークラスを電動化する予定だった。

 しかし2018年8月、「新規参入メーカーに時間的猶予を与えたい」としてEV導入の1年後ろ倒しが決定。現行の内燃機関を搭載したスーパーカーは2020年まで最高峰クラスを戦い続けることになった。

 今回、そのEVクラスへの参戦意欲を示したフォードは、ケン・ブロック率いるフーニガン・レーシングディビジョンを支援する形でWorldRXに参戦しており、その際はフォード・フィエスタRS RXをシリーズに投入していた。

 また2019年に向けては、オーストリアに拠点を置くSTARDが製作を続ける新型フォード・フィエスタSTをベースとするフィエスタRXスーパーカー開発に技術協力を行っている。

 フォード・パフォーマンスのマーク・ラッシュブルックは「FIAや(シリーズを運営する)IMG、OEM企業の人々と話し合いを続けている」と語った。

「我々はフォーカスRSを使った参戦計画の目標は達成できたと判断して、2018年でシリーズでの活動をいったん終了した。しかし、EVモータースポーツの可能性については検討を進めている最中で、ラリークロスもその対象のひとつだ」

「完全なEVマシンでラリークロスを戦うことは、パフォーマンスやレース距離、レースに対する情熱などの面から適していると考えている。EVマシンで戦う上で最高のプラットフォームではないかな」

 2021年に導入予定のEVマシンはオレカ製の共通カーボンシャシーにウイリアムズ・アドバンスド・テクノロジー製のバッテリーを搭載することが義務付けられる。

 車両に搭載する2基の250kWモーターは各マニュファクチャラーが内製する必要があるほか、マシンボディについてはBセグメント/Cセグメントの市販モデルをベースとしたものを採用しなければならない。

 プライベーターチームについては、マニュファクチャラーから提供を受けた車両で参戦するか、パワートレインを内製し、FIAが承認した標準ボディを使って参戦することができる。

 新EVクラスへの参加表明期日は2019年3月31日。今回のフォードを含む参戦希望メーカーは、この期日までに参戦意思を表明しなければならない。

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