アジアカップ決勝でカタールに1-3で敗れた日本代表。
相手は間違いなく強かったが、試合を決定付けたのはPKのジャッジだったとも言える。
後半35分過ぎ、ラフシャン・イルマトフ主審はVARで確認後にハンドがあったとして吉田麻也にイエローカードを提示するとともにPKを宣告した(以下動画1分40秒~)。
意図的なハンドではなかったにもかかわらず、イエローまで提示する必要はあったのか。そもそも現行ルールでは、意図的なハンドだけがPKになるのではないのか…。
競技規則内のVARについての条文では、「意図的」というフレーズを用いてこう記されている。
VARの手順 ―原則と実践および進め方:チェック
「反則の強さ、オフサイドによる妨害、ボールを手または腕で扱う反則に関して考慮すべきこと(位置、意図的かどうかなど)といった主観的な判断に基づく判定を下す場合は、概ね「オンフィールドレビュー(OFR)」が適切である。」
「主審は、さまざまなカメラアングルやリプレースピードを要求できるが、通常、スローモーションのリプレー映像は、反則のあった位置、競技者のいた位置、身体的接触が伴う反則のコンタクトポイント、ボールを手または腕で扱う反則、ボールアウトオブプレーなどの事実(得点か得点でないかを含む)についてのみ用いるべきである。
通常のスピードは、反則の「強さ」、またはボールを手または腕で扱う反則が「意図的」であったかどうかの判定に用いるべきである。」
イルマトフ主審は意図的か否かを見定めていたというよりも、手に当たっていたことを確認すると、すぐさまPKのジャッジを下していたようにも見えた。
実はこの件に関連するニュースが1月の時点で伝えられている。
英紙『The Times』が「偶然のハンドに対する処分はここ80年間で最大のルール変更になるだろう」と報じていたのだ。
前記のように、現行ルールでは意図的なハンドのみが審判によってペナルティーを科されるべきとされている。
だが、国際サッカー評議会(IFAB)は3月に行われる会議において、このルールを変更する見込みだという。
特定下の状況においてと限定しつつ、偶然のハンドであったとしても、ゴールにつながるようなものだった場合にはPKとジャッジしうるというのだ。そして、これは80年間における最大のルール変更になるだろうとも。
当然ながら、エリア内で手にボールが触れた場合、全てがPKになるということではないはず。ただ、偶然であってもPKになる可能性があるとすれば、相手ゴールよりも相手の手を狙うようなプレーが増える懸念はないのか…。
そのあたりは、特定下の状況、ゴールにつながるようなケースだったか否かで判断することになるのだろうか。
今月にJリーグが開幕を迎えるなか、来月には大きなルール改正があるのかが注目される。