【ソウル】北村の韓屋カフェ「チャマシヌントゥル」でほっこり伝統茶体験

大都会ソウルにあって、伝統的な韓屋が建ち並ぶ、別世界の風景が広がる北村エリア。このエリアを散策するなら、昔ながらの韓屋を改装したカフェに足を運んでみたいもの。北村を代表する韓屋カフェが「チャマシヌントゥル」。

緑あふれる中庭を眺めながら、韓国の伝統茶や伝統菓子とともに、癒しのひとときを過ごしませんか。

ソウルの韓屋村「北村(プッチョン)」

高層ビルが並ぶ世界有数の大都市、ソウル。そのど真ん中にあって、今なお韓国の伝統家屋「韓屋」が建ち並ぶ地区が、「北村(プッチョン)」です。

現役の民家の間に、伝統工芸の工房や博物館なども点在するこのエリアは、ソウルのなかでもひときわ伝統色が濃いエリア。ソウルの中心にいながらにして、昔ながらの韓国の街並みが見られるとあって、外国人旅行者の間で高い人気を集めています。

タイムスリップしたような風景を求めて、入り組んだ路地と坂道が連なる街をじっくりと歩いてみましょう。

北村の韓屋カフェ「チャマシヌントゥル」

ソウルにはSNSで注目を浴びるおしゃれなカフェがたくさんありますが、北村にやってきたなら、今どきのヒップなカフェよりも、韓国の伝統にふれられる韓屋カフェに足を運んでみたいものです。

このエリアにある伝統茶カフェの本命が、「チャマシヌントゥル」。韓屋をまるごと利用した古民家カフェで、北村のなかでも、ひときわゆったりとした時間が流れています。

「チャマシヌントゥル」という店名の意味は、「お茶を飲む庭」。その名の通り、建物は中庭を囲む造りになっていて、どの席からも美しく整えられた庭を眺めながら、心安らぐティータイムが過ごせます。

手仕事のぬくもりあふれる店内

最寄りの地下鉄安国駅から徒歩15分。高台に位置するチャマシヌントゥルの門をくぐれば、もうそこは別世界。店内は、白壁に木の梁や木の窓枠などが調和したノスタルジックな空間で、初めてなのにどこかなつかしい気持ちになります。

韓国のパッチワーク「ポシャギ」や、彫刻が施された大きな木箱、陶器の壺といった伝統工芸品も配されていて、韓国の伝統文化を肌で感じることができます。深い木目の入ったテーブルや、切り株や石を使ったテーブルなど、自然の造形を生かした遊び心あふれるインテリアにも注目ですよ。

窓の向こうには、緑豊かな中庭。こんなにも優しい空間にいると、こわばった心もほぐれて、一瞬にして穏やかな気持ちになれます。

見た目にも美しい伝統茶

チャマシヌントゥルは、韓国伝統のお茶を楽しめるカフェ。五味子茶や柚子茶など、さまざまな種類のお茶がありますが、見た目も美しいと評判なのが、「百花茶」。

読んで字のごとく、いくつもの種類の花をブレンドしたお茶で、色とりどりの花が詰まったガラスのポットは、なんともフォトジェニック。ポットもカップも、手のひらサイズでとっても可愛らしいんです。

カップへとお茶を注げば、お花の香りがふわっと広がり、心もほっこり。注いだお茶はカモミールティーのような薄い黄色で、心癒されるクセのない優しい味わいです。

日本との共通点を感じる茶菓

チャマシヌントゥルでは、お茶とともに韓国の伝統菓子も楽しめます。そのラインナップは、かぼちゃの蒸し餅や韓国式おしるこ、ビンス(かき氷)、餅など、米やあんこを使った日本との共通点が感じられるもの。韓国通でもなければ、日ごろ日本の韓国の文化の相違を意識することはありませんが、伝統菓子を見れば、「やはり隣の国なのだ」と実感させられます。

今回いただいたのは、韓国式のお餅。断面からたっぷりのイチゴと柿が顔をのぞかせていて、見た目にもカラフルで可愛らしい一品です。あんこの甘みとフルーツの甘酸っぱさがベストマッチで、それほどお腹が空いていなくても、あっさりと平らげてしまいました。

日本語を話す男性スタッフが親切に対応してくれ、終始和やかな雰囲気に包まれたティータイム。どこの国に行っても、古民家や伝統茶を愛する人々には、共通の優しさと穏やかさがあるのかもしれません。

チャマシヌントゥル

住所:ソウル特別市 鍾路区 三清洞 35-169

[All photos by Haruna]

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