ハイエース&レジアスエースに特化したホイールブランド「ZERO BREAK」
カーショップに行けば車種別/サイズ別にさまざまなホイールがレイアウトされているが、ホイールメーカーアクトが放つゼロブレイクは200系ハイエースにフォーカスしたホイールブランドとなっており、タイプの異なる6モデルをラインアップしてハイエースの足元を華麗に彩っている。
ミニバン&ワゴンやスポーツモデルではなく、なぜ商用車のハイエースにスポットを当ててゼロブレイクをリリースしたのか? その理由をアクトの石田代表に聞いてみた。
アクトのゼロブレイクシリーズについては、以前にも記事で紹介したのでこちらも合わせてチェックしてみてほしい。
「なぜハイエース専用ホイールに拘るのか?」アクト代表の石田氏にそのワケを聞く
「まず一番の理由は、私がハイエースを好きだからです。好きなクルマだといろいろなホイールデザインのアイデアが浮かんできますからね。
そしてもうひとつは、ハイエースが200系にフルモデルチェンジしてから、足回りをカスタマイズされるユーザーが増えてきたことです。
ハイエースは職人の方が仕事用として乗ることが多く、100系の頃はハイエースともう1台のクルマ(多くの方はVIP系セダン)を所有することが多かったように思います。そしてカスタマイズするのはハイエースではないもう1台の方で、ハイエースはノーマルで乗ることが多かったんです。
しかし、200系になってからはハイエース1台だけを所有して、カスタマイズをしながら仕事&プライベートで使用することが多くなりました。
また、アウトドアや街乗り用として職人じゃない一般の方もハイエースを購入して足回り系をカスタマイズするようになりました。
その頃はまだハイエース用のホイールが少なかったので、より多くのハイエースユーザーにカスタムを楽しんでもらいたいと思いゼロブレイクの開発がスタートしたわけです。」
大口径感を演出するのが難しいハイエース用ホイールも「ZERO BREAK」ではクリア
ハイエースの純正ホイールサイズは15×6 6穴 P.C.D=139mmとなっている。したがって、開発するホイールは純正のホール数/P.C.D.を維持してインチアップするわけだが、一般的な普通車用のホイールと違ってハイエース用のホイールには難しい点がいくつかある。
まずはホイール強度の問題。交換したアルミホイールで車検をパスするには、自社製品試験によって耐荷重などの安全性を保障したJWL[品質適合マーク]の刻印が必要。
そして、ハイエースなどの4/1ナンバー貨物車用はさらにJWL-Tの刻印が必要になるため、普通車用よりもより強度を高めなくてはいけない。
さらに、デザイン面において6穴のP.C.D.=139.6mmはちょっと不利。
4/5穴のホイールはナットホールの距離がセンターに寄っているため、ディスク面のデザインに自由度がある。しかし、6穴はナットホールが目立ちすぎるため、そこを上手く処理しながらディスク面のデザインをする必要があるのだ。
またハイエースのボディはスクエアな1ボックスでサイドの面積が大きい。そのためホイールをインチアップしただけでは大口径感をアピールすることができない。
そのため、スポークやリムのデザインを工夫して、ディスク面が大きく見えるデザインが要求されてくるのだ。
さまざまなカスタムハイエースにマッチするデザインを展開する「ZERO BREAK」
アクトのゼロブレイクシリーズは、そんなハイエース専用にデザイン/製造されたホイール。ただ単に、一般車用のホイールで流行ったデザインを6穴にリメイクしたホイールじゃない。十分な強度を確保した上で、ハイエースのスクエアなボディにフィットするようなデザインを実現しているのだ。
ゼロブレイクのデビューモデルはスポーツ性を強調したツインスポークの「R」、それに続いて深リムドレスアップ系の「S」、ラグジュアリーさ際立つ「X」、VIP系にもマッチする「Z」、そしてブラッククロームアメリカン系の「FANG」がリリースされている。
※左から「FANG」「Z」「X」「R」「S」
ハイエースを立体的に魅せるコンケイブデザイン ZERO BREAK「FORCE」
そしてこのゼロブレイク「FORCE(フォース)」は、シリーズ6作目となるドレスアップ系ホイール。
Y字型のスポークはナットホール付近から急激に立ち上がり、二手に分かれてリム部いっぱいまでスムーズに伸びている。このスポークを若干広げてリム部に繋げることによって、実際のサイズよりも大きく見えるという視覚的効果があるのだ。
また、スポークを急激に立ち上げたことでディスク面のディープ感が強調され立体感が増している。
ゼロブレイク「FORCE」のカラーバリエーションは全部で4色。ピアノブラックはモノトーンの色使いだが、ブラックポリッシュ、ブラックキャンディレッドポリッシュ、パールホワイトポリッシュは前面と側面に違うカラーを差してスポークを細く見せることで軽快な足元を演出している。
※左から「ピアノブラック」「ブラックポリッシュ」「ブラックキャンディレッドポリッシュ」「パールホワイトポリッシュ」
ZERO BREAK 「FORCE」のサイズラインアップ
■インチ:16/17/18/20インチ
■リム幅:6.5J~8.5J
■インセット:+38/+40mm
■価格:¥33,000~¥61,000
ZERO BREAK「FORCE」は、ハイエースにスポーティさとラグジュアリー感を与える!
撮影車両のハイエースは、エクスポーズの4型 EXスタイル3 バンパータイプでドレスアップしたワイドボディ。
装着されているゼロブレイク FORCEのサイズは20×8.5J+40mmとなっている。側面が平らなハイエースだが、ゼロブレイク FORCEを履いたことにより立体的でスポーティ、かつラグジュアリーささえ感じるフォルムに仕上がっている。
旬のパーツをセレクトしてカスタマイズを楽しんでいるハイエースオーナーにとっては、今後のアクトの動きが気になるところだろう。
そのあたりを石田代表に聞いてみると「ゼロブレイクのFORCEをリリースしたことでスポーツ系からVIP系、ドレスアップ系までひととおりのホイールが出揃いました。
現時点において企画が進んでいるホイールはありませんが、密かに考えているのはアウトドア系のホイールで、今までのゼロブレイクとは一線を画した15~16インチのシンプルなデザインのホイールになる予定です」
といった返事が帰ってきた。
ハイエースに特化したホイールメーカー「AKUT(アクト)」から、次はどのようなホイールがリリースされるのか非常に楽しみだ。
[Text/Photo:オマドーン]