被爆者の証言 米財団HPに ケリー理事長が来崎

 米国が第2次大戦中、原爆開発を推進した「マンハッタン計画」関連施設の保全に貢献した「アトミック・ヘリテージ財団」のシンシア・ケリー理事長が18日、被爆者らのインタビューを収録するために長崎市を訪れた。今夏、同財団のホームページ(HP)で公開される予定。
 同財団は、計画の拠点となったロスアラモスと、長崎原爆用のプルトニウムを製造したハンフォード、広島原爆用の濃縮ウランを製造したオークリッジの計3カ所にある研究開発施設などを国立歴史公園にするように米政府に働き掛けた。2015年、公園に指定されている。
 同財団はこれまで施設勤務者の証言をHPで公開してきたが、視聴者に多様な視点で原爆について考えてもらおうと、広島と長崎の被爆者のインタビューを記録するために来日した。
 同日は、長崎原爆資料館と国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館を視察。ケリー理事長は「原爆が人体に与えた影響を写真などで力強く伝えることが大事」と話した。
 ケリー理事長は被爆者のインタビューを「国立歴史公園にも展示したい」としている。

原爆被害を伝える資料や写真を見つめるケリー理事長(左から2人目)=長崎市平野町、長崎原爆資料館

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