政治流用や政資法違反も 保育カンパ金問題 

本紙が入手した保護者や保育士から集めるカンパ袋(右上)やカンパの趣旨が書かれた文書(同下)、保育推進連盟の政治資金収支報告書

 保育のカネを巡る政治流用問題が、宮崎日日新聞の調査報道によって発覚した。取材では国への陳情活動のために保護者や保育士から集めたカンパ金と、公費である保育園の委託費が、自民党国会議員のパーティー券購入費用などの政治資金に充てられた疑惑が浮上した。報道を受けて県が県内340施設に対して実態調査に乗り出すなど、真相解明に向けた動きが始まっている。
◆族議員の資金源
 カンパ金の流れはこうだ。330施設が加盟する県保育連盟連合会(県保連)が集金し、自民党の谷垣禎一前幹事長が会長を務め、同党の国会議員が役員に名を連ねる政治団体・保育推進連盟(東京)に納められる。県支部の県保育推進連盟(県連盟)にも繰り出しており、その額は2017年までの4年間で計750万円に上る。両連盟はカンパ金に会費を加えた会計から厚生労働族議員らのパーティー券を購入していた。

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