MotoGPカタール公式テスト、初日はヤマハのビニャーレスが最速。中上はホンダ勢最上位の8番手

 MotoGPクラスの2019年シーズン開幕前最後の公式テストが2月23日、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットでスタートした。初日はマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップタイムをマーク。日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はホンダ勢最上位の8番手で初日を終えている。

 テストは2月23~25日の3日間に予定されており、初日は現地時間16時から22時にかけて行われた。この日ロサイル・インターナショナル・サーキットでテストを行ったのは、MotoGPクラスにエントリーするレギュラーライダー22人と、アプリリアのテストライダーであるブラッドリー・スミスの23人だ。

 テスト初日は全体的にタイムが上がらず、4時間を経過したところでやっとトップタイムが1分55秒台に入ってくるという状況だった。ライダーのコメントによれば、トラックコンディションがあまりよくなかったようだ。そんななか、常に上位につけていたのがヤマハ勢とドゥカティ勢、そしてチーム・スズキ・エクスターのアレックス・リンスだ。

 セパン公式テストで2日目トップタイムをマークしたビニャーレスは、今回も仕上がりのよさを見せて初日トップでテストを終えている。チームメイトのバレンティーノ・ロッシもトップのビニャーレスから約0.7秒差5番手につけ、悪くない結果と言えそうだ。

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)

 ドゥカティも好調を維持。ファクトリーライダーのアンドレア・ドヴィツィオーゾとダニロ・ペトルッチのふたりはそれぞれ、セッション中にトップタイムをマークする時間帯もあり、安定して上位をキープしていた。

アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)
スズキGSX-RRの新しいエキゾーストパイプ

 2019年から優遇措置を失うスズキのリンスはこの日、ドゥカティ勢とヤマハ勢に混じってトップ5以内をキープ。また、今回のテストでスズキは新しいエキゾーストパイプを投入。排気口をふたつ備える、ダブルのエキゾーストパイプが登場している。

 こうした好調さを見せるドゥカティ、ヤマハ、スズキに対して、この日のテストで上位に浮上してこなかったのが、ホンダ勢である。レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスは左肩、ホルヘ・ロレンソは左手をオフシーズン中に手術。さらにサテライトチームのカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)も、2018年オーストラリアGPで負った負傷の療養にオフシーズンを当てており、ケガ人多数の状況だ。

 加えて今年からホンダに加入したロレンソは、左手の回復に専念するためにセパン公式テストには参加していなかった。2019年に入ってロレンソがホンダRC213Vにまたがったのは、このカタール公式テストが初。そうした影響も手伝ってか、ホンダ勢は全体としていまひとつ奮わない結果となった。

 マルケスは転倒を喫し、10番手。いまだ左肩は完治していないようで、周回数も34周にとどまっている。ただ、以前はケガの影響を受けていたライディングが、本来のものに戻りつつあるということだ。ロレンソは38周を走って21番手で、シート位置の調整などを行ったという。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)

 ホンダ勢の最上位としては、日本人ライダーの中上の8番手。小さなクラッシュを喫したようだが、ケガはなかったとみられる。中上は1年落ちの2018年型RC213Vを走らせているが、この日のテストでは一時、3番手につける時間帯もあり、昨年11月下旬のヘレス公式テストから速さを維持している。

 ルーキー勢としては、2019年からヤマハのサテライトチームとして新設されたペトロナス・ヤマハSRTのファビオ・クアルタラロの7番手が最高位だった。

 MotoGPクラスのカタール公式テストは2月24日、2日目のテストを実施する。

 以下、MotoGPカタール公式テストの初日タイム結果。

■MotoGPカタール公式テスト初日タイム結果

Pos. No. Rider Team Motorcycle Time Laps/Total

1 12 M.ビニャーレス モンスターエナジー・ヤマハMotoGP ヤマハ 1’55.051 48/50

2 42 A.リンス チーム・スズキ・エクスター スズキ 1’55.159 45/48

3 4 A.ドヴィツィオーゾ ミッション・ウィノウ・ドゥカティ ドゥカティ 1’55.550 23/29

4 9 D.ペトルッチ ミッション・ウィノウ・ドゥカティ ドゥカティ 1’55.594 25/37

5 46 V.ロッシ モンスターエナジー・ヤマハMotoGP ヤマハ 1’55.604 42/47

6 53 T.ラバット レアーレ・アビンティア・レーシング ドゥカティ 1’55.694 44/44

7 20 F.クラルタラロ ペトロナス・ヤマハSRT ヤマハ 1’55.772 42/49

8 30 中上貴晶 LCRホンダ・イデミツ ホンダ 1’55.943 28/45

9 44 P.エスパルガロ レッドブルKTMファクトリー・レーシング KTM 1’56.040 43/47

10 93 M.マルケス レプソル・ホンダ・チーム ホンダ 1’56.167 26/34

11 36 J.ミル チーム・スズキ・エクスター スズキ 1’56.264 47/52

12 41 A.エスパルガロ アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ アプリリア 1’56.358 24/34

13 29 A.イアンノーネ アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ アプリリア 1’56.447 28/30

14 21 F.モルビデリ ペトロナス・ヤマハSRT ヤマハ 1’56.511 45/47

15 63 F.バニャイア アルマ・プラマック・レーシング ドゥカティ 1’56.738 27/45

16 5 J.ザルコ レッドブルKTMファクトリー・レーシング KTM 1’56.770 24/53

17 88 M.オリベイラ レッドブルKTMテック3 KTM 1’56.891 28/42

18 35 C.クラッチロー LCRホンダ・カストロール ホンダ 1’56.921 23/43

19 43 J.ミラー アルマ・プラマック・レーシング ドゥカティ 1’56.932 33/46

20 17 K.アブラハム レアーレ・アビンティア・レーシング ドゥカティ 1’57.053 22/39

21 99 J.ロレンソ レプソル・ホンダ・チーム ホンダ 1’57.090 31/38

22 38 B.スミス アプリリア・ファクトリー・レーシング アプリリア 1’57.137 29/48

23 55 H.シャーリン レッドブルKTMテック3 KTM 1’57.459 30/44

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