大注目!名古屋の新司令塔シミッチについて知るべき「5つのこと」

今季J1の名古屋グランパスに加入し、Jデビューを飾ったサガン鳥栖との開幕戦でボランチとして大活躍を見せたジョアン・シミッチ。

リオ・アヴェから突如やってきた元ブラジルU-20代表選手は一体どんなプレーヤーなのか?5つの項目でまとめてみよう。

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生い立ち

ジョアン・シミッチは1993年生まれの25歳。生まれたのはサンパウロで、同町の名門クラブであるサンパウロFCの下部組織で育成された。

当初はジョアン・フェリピという登録名だったが、DFに同じジョアン・フェリピがいたことから混同される可能性を考えて「シミッチ」を採用することに決めたそうだ。

なお、Schmidtという名前は「シュミット」と読みたくなるが、Jリーグではポルトガル語発音に近い「シミッチ」の表記が採用されている

2012年にトップチームでのデビューを果たし、奇しくもその試合で上記のジョアン・フィリピと交代している。その試合ではアデミウソン(現・ガンバ大阪)が同チームでプレーしていた。

ブラジル代表

サンパウロのユースで活躍していたシミッチは、2012年にブラジルU-20代表に選出され、キャプテンも務めるなど期待を受ける。

そして2013年にはアンデルソン・タリスカ(現・広州恒大)、アリソン(現・リヴァプール)、アデミウソンらとトゥーロン国際大会のメンバーに選出された。

8番を付けて4-1-4-1の攻撃的MFとして起用され、それほどポゼッションサッカーに優れた選手がいない中で一人正確なパスを提供し、優勝に貢献している。(下記写真。右下にジョアン・シミッチ)

サントスを断って名古屋へ

2014年に初めて欧州に進出し、ポルトガルリーグのヴィトーリア・セトゥバウへローンされる。4-1-4-1の攻撃的MFや4-2-3-1のトップ下、4-4-2の左ボランチとして起用され、レベルの高いパフォーマンスを継続させる。34試合で8ゴールを決め、大きく評価を高めた。

その後一旦古巣サンパウロに戻り、2017年に就任したロジェリオ・セニ監督に信頼を受けるも、クラブから月額6万ドル(およそ675万円)の給与据え置きを提示されたこともあり再び欧州へ。イタリア・セリエAのアタランタへと渡っていった。

だが、そこではいきなり左膝の半月板を損傷したことで手術を受けることになり、結局出場は叶わず。今季は再びポルトガルリーグに渡り、リオ・アヴェに貸し出されていた。

前半戦では20試合に出場して3ゴールを決め、冬にはあのブラジルの名門サントスからの誘いもあったそう。しかしシミッチはその中から名古屋グランパスを選び、Jリーグへとやってきた。

代理人

代理人を務めているのは『D20 Sports Management』。元ポルトガル代表MFデコがアイルランドのダブリンに登録している会社で、会計士アンディ・クインがパートナー。

リヴァプールのMFファビーニョがもっとも有名な顧客であり、昨年は30万ユーロ(およそ3900万円)の利益を計上したという。

そのアンディ・クインは『Gestifute』のディレクターでもある。『Gestifute』はもちろんあのジョルジュ・メンデス代理人の会社である。

そして、ジョルジュ・メンデス氏が非常に深く関わっていることで知られるクラブが、ポルトガルリーグのリオ・アヴェだ。そこにはかつてファビーニョも所属していた。

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ここまで状況が揃っていれば、あのジョルジュ・メンデスがD20に深く関わっていることは容易に想像できる。彼は近年東アジアのマーケットに注目していると言われていたが、日本にも…。

プレースタイル

開幕戦では同じく新加入の米本拓司と中盤でコンビを組んだシミッチ。

サンパウロ時代は、同時期に所属していた元ブラジル代表MFエルナネス(現・河北華夏幸福)の後継者であると評価されていた。

決して身体能力や個人での打開力に長けている選手ではないものの、左足から繰り出される早いタイミングでの決定的なパスが魅力。フィールドの中央でポジションを取ることを好み、長短のパスやフリーキックで得点を導いていくコンダクターである。

得点数はそれほど多くはないものの、昨年11月に行われたシウヴェス相手にキャリア初の1試合2ゴールを記録している。

ジョーやガブリエル・シャビエル、エドゥアルド・ネット、マテウスなど、今シーズンの名古屋には同郷の選手がたくさんいる(しかもなぜか全員左利き!)。

開幕戦で強烈な存在感を放ったシミッチが風間八宏監督の攻撃サッカーをどのように支えていくか、大いに注目したい。

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