WEC:初開催セブリング1000マイル向けて最新EoTが発表。ノンハイブリッドLMP1に微調整

 WEC世界耐久選手権は3月14~16日、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで開催される第6戦セブリング1000マイルを前に、LMP1クラスに課せられるEoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー=技術の均衡)を更新。3月5日付けで発表した。

 2014年シーズンからシリーズ最高峰のLMP1クラスに導入されているEoT。2018/2019年“スーパーシーズン”ではTOYOTA GAZOO Racingが走らせるハイブリッドLMP1カーと、レベリオン・レーシングなどプライベーターチームのノンハイブリッドカーの技術的パフォーマンスの差を小さくするべく各ラウンドごとに調整が行われてきた。

 そんなEoTの最新版はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権との併催イベントとなる第6戦セブリングに向けて、前戦の上海用から修正されたものだ。今回のバージョンではノンハイブリッドマシンの“1周あたりの最大使用可能エネルギー量”のみが変更されている。

 具体的にはSMPレーシングのBRエンジニアリングBR1・AERが該当するターボエンジン車と、それ以外が属する自然吸気(NA)エンジン車の2種類に分けられるノンハイブリッドカーの両車で、1ラップあたりのエネルギー量が減少。トヨタのそれと比べたとき、ターボ車は前戦比マイナス4.9%、NA車ではマイナス4.1%となった。これにより前者は約3MJ分、後者は約2.3MJ分の燃料消費が抑制されることになる。

 なお、EoTに記載される車両最低重量、燃料流量、燃料搭載量、給油リストリクター径の項目はハイブリッドカーとノンハイブリッドカーの両車で変更は加えられていない。

ドラゴンスピードはSMPレーシングと同じBRエンジニアリング製シャシーを採用するがエンジンはギブソン製の自然吸気を選んでいる
エンジンをニスモ製からギブソン製へスイッチするバイコレスは第6戦をスキップ。第7戦スパからシリーズに復帰する予定

■2018/2019年WECスーパーシーズン第6戦セブリング用EoT(3月5日版)

ノンハイブリッド ノンハイブリッド ハイブリッド

エンジンタイプ 自然吸気 ターボ ターボ

MGU放出エネルギー(MJ/Lap) 0 0 <5.48

MGU放出パワー(kW) 0 0 <300

最低重量(kg) 818 833 904

最大エネルギー(MJ/Lap) 103.1 95.8 61.3

最大燃料流量(kg/h) 115 115 80

最大燃料搭載量(kg) 56.2 52.8 35.1

給油リストリクター径(mm) 25.00 24.20 20.40

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