カイケルの代理人・ボラス 複数のチームと交渉中

13年3億3000万ドルという北米プロスポーツ史上最高額となるブライス・ハーパー(フィリーズ)の契約交渉を終えた敏腕代理人スコット・ボラスは、こちらも自身の顧客であるダラス・カイケルの契約交渉に取り組んでいる。ボラスは日本時間3月7日にMLBネットワーク・ラジオに出演し、カイケルについて複数のチームと交渉を行っていることを明らかにした。

ボラスは、昨年のスプリング・トレーニングが始まってから契約を決めたJ.D.マルティネス(レッドソックス)やジェイク・アリエタ(フィリーズ)に言及し、両者と同様にカイケルの市場が形成されつつあることを示唆した。

「我々ができることは、選手に対する需要と供給をマッチさせることだ」と語るボラス。「昨年はアリエタやJ.D.マルティネスの契約がなかなか決まらなかったが、これは彼らが価値のある選手でないからではない」という言葉からは、スター選手の契約を決めることに対する自信がうかがえた。

アリエタはカイケルとの比較対象としては適当な存在と言える。両者はともに2015年にサイ・ヤング賞を受賞しており、その後ややパフォーマンスを落としたあと、クオリファイング・オファーを拒否してフリーエージェントとなり、3月まで無所属の状態が続いている。アリエタは最終的にフィリーズと3年7500万ドル+球団オプション2年で契約。これが一つの目安となるかもしれない。

MLBネットワークのジョン・ヘイマンによると、ハーパーの契約が決まったあと、カイケルのもとには3球団からの問い合わせがあったようだ。また、ヘイマンはアストロズとフィリーズがカイケルとの短期契約に興味を持っていることを伝えている。一方、カイケルは可能であるならば長期の大型契約を欲しており、両者のニーズがマッチするかどうかは不透明だ。

なお、エース右腕のルイス・セベリーノの故障により、先発投手の補強に乗り出す可能性が取り沙汰されているヤンキースは、ブライアン・キャッシュマンGMがその可能性を否定。ドミンゴ・ヘルマンやジョナサン・ロアイシガといった現有戦力で穴埋めをする方針を明らかにしている。

© MLB Advanced Media, LP.