WRC:トヨタ、競技2日目はラトバラにトラブル。「ストレスが溜まる終わり方」

 現地3月8日に行われた2019年のWRC世界ラリー選手権第3戦メキシコの競技2日目。TOYOTA GAZOO Racing WRT勢では、メキシコで優勝経験のあるクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3番手につけた一方、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)にはマシントラブルが発生した。

 ラリー・メキシコの競技2日目はSS2〜9までの8SSで争われ、本格的なグラベル(未舗装路)を舞台とする1日となった。

 これがトヨタ移籍後、初のグラベル戦となるミークは安定したペースで走行を重ね、トップと21.1秒差、総合2番手とはわずか6.3秒差の総合3番手につけた。

 チームメイトでポイントリーダーのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)は、今大会で初めて先頭走者を務め“掃除役”を担当。グラベル路面を切り開いていく立場になったことでペースを上げられず、一時は総合8番手まで後退してしまう。

 しかし、午後に行われたSS7、SS9ではステージトップタイムを記録する走りで挽回し、上位陣が脱落したこともあって総合4番手までポジションを上げている。首位とは37.1秒差、前のミークとは16秒のギャップだ。

 SS1を総合10番手で終えていたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、競技2日目で着実にポジションアップを果たし、この日最後の2SSを残した時点で総合4番手と好位置につける。

 しかし、SS8へのロードセクションで電気系トラブルによりマシンがストップしてしまい、リタイアを余儀なくされてしまった。ラトバラはラリー2規定を使い、競技3日目には復帰を予定しており、ポイント獲得を目指す。

■チーム代表マキネン「ラトバラのトラブルを除けば、いい1日。しっかり原因を特定する」

クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)
オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)

「ヤリ-マティ(ラトバラ)に起きたトラブルを除けば、今日はいい1日になった」と語るのは、チーム代表のトミ・マキネン。

「(ラトバラのヤリスWRCに)何が起きたのかしっかりと原因を特定する必要があるが、電力が供給されなくなりリタイアせざるを得なくなってしまった」

「クリス(ミーク)にとっては素晴らしい1日になったし、明日はさらにペースを上げるだろう。今日1日を走りきったことで、この路面コンディションにおけるマシンへの理解度が高まっているからね」

「オット(タナク)は1番手でコースを走ることになったため、難しい戦いを強いられたが、最終的には明日に向けていい位置につけられたと思う。まだ競技ははじまったばかりだが、好成績を残せる手応えがあるよ」

 トヨタ陣営のトップにつけたミークは「ヤリスWRCで戦うグラベル初日を総合3番手というポジションで終えられて満足している」とコメントした。

「総合首位(のセバスチャン・オジエ)のペースには届かなかったけど、大きなハプニングもなく、マシンも完璧に機能してくれた。砂煙がコクピット内に入ってしまう不運はあったけど、マシンのパフォーマンスは素晴らしかったよ」

 ミークに続く総合3番手につけたタナクは「今日はできるかぎりの全力を尽くしたよ。総合2番手とのギャップはわずかだから、まずはそのポジションを狙っていきたいね」とコメント。

 メカニカルトラブルでリタイアを余儀なくされたラトバラは「今朝最初のステージ(SS2)は慎重に走りすぎたけど、そのあとはペースを取り戻すことができていたんだ」と走行をふり返った。

「午後にはペースも改善していて総合4番手につけていたけど、オルタネーターが機能しなくなってしまったんだ。あと2ステージを走ればフィニッシュだったのにね。かなりストレスが溜まる終わり方だけど、モータースポーツの世界ではこういったトラブルは付き物だ」

「気持ちを切り替えて、残りの走行に集中していく」

 競技3日目となる現地9日はSS10〜18の9SSを実施。サービスパークの北側、東側で3本のステージを2度走行した後、レオンの街にあるサーキットで2SS、サービスパーク近くの市街地で1SSとバラエティに富んだ構成で争われる。

 9SS合計の走行距離は138.37km。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は348.49kmだ。

クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)
クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)

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