無農薬や無添加にこだわった商品が並ぶ「長崎オーガニックマルシェ」が17日、長崎市中心部の眼鏡橋周辺で開かれる。主催メンバーらは当日提供しようと、体に優しい長崎ならではの料理の新メニューも考案した。子を思う母親の目線で良い物を届けたい-。マルシェにはそんな思いが込められている。
長崎オーガニックマルシェは、長崎市で布ナプキンや布おむつの専門店「りぼん」を営む大原万里亜さんら女性3人を中心に企画。昨年10月にプレイベントを開き、その後市街地のにぎわい創出に寄与するとして市まちぶらプロジェクトの認定を受けた。
大原さん自身、オーガニックの商品を買おうとすると、長崎市内では取り扱う店が限られ、インターネット販売を利用することが多いという。「毎週眼鏡橋に行けば良い物が買えるというのが理想」と語る。都会のマルシェに足を運び、運営などを学んできた。
2月には、当日販売する新メニューを考えるワークショップを開催。関心のある農業や飲食業の約10人が参加し、日本の伝統的な食生活を実践するマクロビオティックの料理研究家、中美恵さん=東京都=を講師に、長崎の歴史や文化に思いをはせながらメニューの方向性を模索した。
中さんは、長崎原爆で被爆した医師・故秋月辰一郎さんが原爆症への食事療法として玄米やみそ汁の摂取を推奨していたことを紹介。新メニューにも玄米や発酵食品を使うことを提案し、参加者らでみそや甘酒、塩こうじといった発酵食品と長崎の伝統柑橘(かんきつ)「ゆうこう」の果汁を合わせたソースやドレッシングを試作した。
その後も試行錯誤を重ね、「オーガニック長崎玄米ライスサラダ」が完成した。玄米ご飯の上に季節の野菜や甘辛い大豆ミートをちりばめ、みそと甘酒、ゆうこうの特製ドレッシングをかけた一品。マルシェ当日にお披露目し、20食限定で販売する。
このほか長崎県内を中心に約50の生産者らが参加し、体に優しいスイーツや天然酵母パン、スープ、蜂蜜、コーヒーなどの食品や雑貨が並ぶ予定。大原さんは「食を変えることで体や気持ち、生活も変わっていく。これからの時代に子どもたちへ残していきたい物を提案したい」と話している。
マルシェは午前10時~午後5時。雨天中止。問い合わせは大原さん(電090.6290.4356)。