伝えたくてしょうがない

 大人がつい口にする言葉の一つに「やる気を出さなきゃ」というのがある。出せと言われて出るものでもないのに、時にどうにか絞り出そうとする。そんな大人の一人として、子どもの「やりたくてしょうがない」思いに触れると、目が覚める感じがする▲長崎でのホーム戦は全て見た。アウェー戦にも行った。長崎市立西北小1年の立石恵望(めぐむ)君がV・ファーレン長崎に寄せる思いといったら、熱烈なサポーター並みだろう▲試合の内容と感想を折り紙に書いては、模造紙に貼ったという。小社などが小、中学生から募った「新聞」感想文コンクールで入賞した立石君は、新聞を読んだ-ではなくて、作った感想を寄せてくれた。大変だったけど〈できていくのを見るのはたのしかったです〉と▲高木琢也さんが監督を退任するとき、自作の新聞にリボンを付けてプレゼントした。ありがとうの気持ちを〈わたすことができました〉▲長崎市の県立図書館の「最後の開館日」を報じた本紙の記事に寄せて、祖父、父、私の3代の思いをつづった小学4年生の感想文も…と、とてもここに挙げきれないが、あの文もこの文もみずみずしい▲感じたことを自分の言葉で伝えたい。伝えたくってしょうがない。皆さんにそう思ってもらえるよう、新聞が少しばかり後押しできるといい。(徹)

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