7年ぶり開催のWECセブリング。走行初日はロペス駆る7号車トヨタが新レコードで首位発進

 WEC世界耐久選手権は3月13日、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで“スーパーシーズン”第6戦セブリング1000マイルが開幕。走行初日となった13日は各90分のフリープラクティスが2回行われ、ホセ-マリア・ロペス駆るTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ロペス組)がFP2で1分41秒730という最速タイムをマークした。

 2012年以来、7年ぶりに世界選手権のカレンダーに組み込まれたWECセブリングラウンド。2018年11月の中国・上海戦から約4カ月のインターバルを置いて行われる今戦は3月9~10日に実施された公式テストを経て、13日に走行初日を迎えた。

 晴天に恵まれたこの日、最初のセッションとなるプラクティス1は現地15時にスタート。90分間の走行枠でトップに立ったのは唯一の1分41秒台となる1分41秒957をマークした中嶋一貴の8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/一貴/フェルナンド・アロンソ組)だった。

 このタイムは2013年にアウディR18 eトロン・クワトロでALMSアメリカン・ル・マン・シリーズに参戦した、マルセル・ファスラーが予選で叩き出した1分43秒886を破る新レコードタイムとなっている。

 トヨタの僚友7号車は1分42秒506で総合2番手、プライベーター勢は2台のレベリオン・レーシング、レベリオンR13・ギブソンとSMPレーシングの11号車BRエンジニアリングBR1・AERが1分43秒台のタイムで3~5番手に並んだ。

■中嶋一貴の新レコードを7号車トヨタのロペスがブレイク!

 日没直後の現地19時45分にスタートが切られたFP2では、セッション開始直後に予選シミュレーションを行った7号車トヨタのロペスが1分41秒730という全体ベストをマーク。一貴が塗り替えたレコードイムを更新してみせた。

 対する8号車トヨタはロング主体のプログラムに終始し、パーソナルベストは1分42秒262に留まった。また、7号車トヨタもその後はタイムを更新することなく90分間のセッションを終えている。

 なお、トヨタは10日の公式テストでコンウェイが1分41秒152という非公式レコードタイムを出しており、14日のFP3、予選に向けてはさらなるペースアップが予想される。

TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド

 総合3番手以下はSMPレーシングの17号車、11号車BR1、レベリオン・レーシングの3号車、1号車R13というオーダーとなり、クラス最後尾7番手は母国ラウンドを迎えているドラゴンスピードのBRエンジニアリングBR1・ギブソンとなった。

 LMP2クラスはジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車オレカ07・ギブソン(ホー・ピン・タン/ガブリエル・オブリ/ステファン・リケルミ)がFP2で、FP1トップとなったレーシング・チーム・ネダーランドの29号車ダラーラP217・ギブソンを上回る1分47秒716をマークしてクラス総合トップに立っている。

 LM-GTEプロクラスではFP1、FP2ともにアストンマーティン・レーシングが一番時計を譲らず。アレックス・リンとマキシム・マルタン組97号車アストンマーティン・バンテージAMRが1分57秒792でクラス首位をキープした。

 フォード・チップ・ガナッシ・チームUKの67号車、66号車フォードGT勢がFP2クラス2、3番手に。同4番手はAFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evo、5番手は前戦上海を制した95号車アストンマーティン・バンテージAMRというオーダーになっている。

 LM-GTEアマクラスではガルフ・レーシングの86号車ポルシェ911 RSRがクラス首位を奪取。トップタイムは1分59秒327だ。

 また、10日の公式テストで激しい火災に見舞われたチーム・プロジェクト1は、新シャシーがドイツから到着するも準備がFP1に間に合わず。しかし、FP2では出走を果たし32周をラップ。8番手(9台中)タイムとなる2分00秒156を記録している。

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦セブリング12時間との併催イベントとなるWEC第6戦セブリングは14日、フリープラクティス3が16時15分(日本時間15日5時15分)から行われ、同日21時30分(日本時間15日10時30分)からは公式予選が実施される予定だ。

2018/19年WEC第6戦セブリング走行初日にトップタイムをマークした7号車トヨタTS050ハイブリッド

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