迫る 県議選 平成最後の戦い・5 五島市区(定数1) 現職と新人が一騎打ち

 5期目を目指す無所属現職の山田博司と、13年前の県議補選の雪辱を誓う自民新人の林睦浩の一騎打ちがほぼ確実な情勢。五島市内で開かれる行事で両者が相まみえる場面も増えるなど前哨戦が静かに熱を帯び、両陣営とも「厳しい戦いになる」と接戦を予想する。
 2月下旬。山田は集まった支持者を前に、こう強調した。「政治は自分の選挙区や離島のために、どれだけ動けるかだ」。念頭にあるのは、県議会主流会派や政権与党にいない中で政策が実現できるのか-との批判。それを打ち消すように、県議4期の「実績」を並べ立てた。
 2006年の県議補選で林に45票差で競り勝った後も、徹底して地域回りを継続してきた。今回も個人の知名度を生かした活動を展開する。陣営関係者は、相手の自民の組織力を意識し「『島民』対『党民』の戦いだ」と息巻く。
 一方、翌日に開かれた林陣営の集会。会場の前列の一角を自民、公明の市議団が固めた。演説をした陣営幹部は中央とのパイプを強調し、「国境離島新法や世界遺産登録のチャンスを生かせるのは林だ」と熱弁した。
 1月末に市議を辞職し、“背水の陣”で臨む林。自民候補に勝ち続ける山田に対抗しようと、組織だけに頼らず、若い世代に口コミで支持を広げる新たな手法で挑む。集会には青壮年層が「予想以上」に集まり一定の手応えも。ただ「現職の知名度にはまだ届いていない」と不安視する声もあり、浸透を急ぐ。=文中敬称略=

◎立候補予定者

 ▼五島市区
林  睦浩 50 自新
山田 博司 48 無現(4)

 【おことわり】立候補予定者名簿の政党は衆院勢力順(自民=自、立民=立、国民=国、公明=公、共産=共、社民=社、無所属=無)。同じ政党内は現職、元職、新人の順で、当選回数(丸数字)ごとに五十音順。

© 株式会社長崎新聞社