迫る 県議選 平成最後の戦い・5 対馬市区(定数1) 基礎票を持つ4者激戦

 5選を目指す自民の坂本智徳に、元市議の入江有紀、元市長の財部能成、市議の船越洋一の無所属新人3人が挑む。4人はいずれも対馬市では大票田の厳原町を地盤とし、一定の基礎票を持つ政治経験者同士による混戦となりそうだ。
 「国、県との大きなパイプが必要」。2月中旬、自民現職の国会議員を招いた国政・県政報告会で、坂本はこう訴え、続投への支援を呼び掛けた。1月の事務所開きの時点では入江以外に立候補表明はなく、一騎打ちかとみられていた。
 だが、その後、財部と船越が相次いで名乗りを上げ、一気に4者入り乱れての混戦模様に。空席だった後援会長が昨年末に決まった坂本陣営は「油断があった。対応が後手に回っている」と危機感を強め、引き締めに躍起だ。
 一方、財部は「市長のキャリアを生かし、次世代につなぐ環境整備を図りたい」とし、決戦への準備を進める。一部の漁協から推薦を受けるなど、坂本の支持基盤にも食い込む。若者との意見交換会を開いているほか、インスタグラムも駆使して広い世代へ浸透を図る。
 「対馬空港の滑走路延長など市民の声を県政に訴えていきたい」として参戦を決めた船越。自民に党籍があり、現職の保守系議員の一部が支援に回るなど、保守分裂の要素もはらむ。
 入江は一昨年の市議選での落選直後から島内各地でミニ集会を重ね、“草の根”での政治活動を展開。「全181行政区のほとんどをまわった」と手応えを口にし、票の積み増しを狙う。=文中敬称略=

◎立候補予定者

 ▼対馬市区
坂本 智徳 65 自現(4)
入江 有紀 76 無新
財部 能成 61 無新
船越 洋一 73 無新

 【おことわり】立候補予定者名簿の政党は衆院勢力順(自民=自、立民=立、国民=国、公明=公、共産=共、社民=社、無所属=無)。同じ政党内は現職、元職、新人の順で、当選回数(丸数字)ごとに五十音順。

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