エンゼルス トラウトと12年4億3000万ドルで契約延長へ

日本時間3月20日、関係者がMLB公式サイトのジョン・ポール・モロシに伝えたところによると、エンゼルスは球界屈指のスター外野手、マイク・トラウトと12年4億3000万ドルで契約を延長することで合意に至ったようだ。現在27歳のトラウトは、現行の契約では2020年シーズン終了後にフリーエージェントとなる予定だったが、今回の契約延長によりフリーエージェントとなるのは最速でも2030年シーズン終了後となる。なお、このニュースはESPNのジェフ・パッサンが最初に報じたが、エンゼルスからの正式発表はまだ行われていない。

トラウトは現在、エンゼルスと6年1億4450万ドルの契約を結んでおり、契約があと2年残っている。今回の契約延長は、それに10年契約を追加し、トータル12年契約となるようだ。ロサンゼルス・タイムスのビル・シェイキンによると、オプトアウト(契約破棄)の条項は含まれておらず、トラウトは39歳となる2030年シーズンまでエンゼルスの一員としてプレイする可能性が極めて高くなった。

今回の契約延長が正式に成立すれば、トラウトは史上初の「4億ドルプレイヤー」となる。今オフは、2月にマニー・マチャドがフリーエージェントの選手としては史上最高額となる10年3億ドルで契約を結んだあと、今月に入ってブライス・ハーパーがフィリーズと13年3億3000万ドルで契約し、その記録を更新。ハーパーの契約は、2014年11月にジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)が当時在籍していたマーリンズと結んだ13年3億2500万ドルを上回り、フリーエージェントの選手に限らず、北米プロスポーツにおける史上最高額の契約となった。トラウトの契約は、その記録を再び更新することになる。

また、今回のトラウトの契約は、総額のみならず1年あたりの金額でも史上最高額となる。現時点での1年あたりの史上最高額は、ザック・グレインキー(ダイヤモンドバックス)の3440万ドルだが、トラウトの12年4億3000万ドルを1年あたりに換算すると3583万ドルとなり、グレインキーの金額を上回る。よって、トラウトは総額と年平均額の両方において、メジャーリーグ史上最高給プレイヤーとなる。

ニュージャージー州出身のトラウトは、NFLフィラデルフィア・イーグルスの大ファンであることが知られており、今オフ、フィリーズに加入したハーパーは、トラウトをフィリーズに勧誘していた。しかし、今回の契約延長により、トラウトとハーパーがフィリーズでチームメイトとなる可能性は事実上消滅した。

トラウトはメジャー2年目の2012年にア・リーグ新人王に輝き、2014年と2016年にはア・リーグMVPを受賞。2012年以降の7シーズンのうち6シーズンでMVP投票2位以内にランクインするなど、毎年のようにメジャートップクラスの成績を残し、シルバースラッガー賞を6度受賞しているほか、7度選出されているオールスター・ゲームでは2度のMVPを獲得している。通算WARはすでに64.3に達し、野手では歴代99位にランクイン。通算WARは早くも多くの殿堂入り選手を上回っており、将来のアメリカ野球殿堂入りが確実視されている。

エンゼルスは今後、トラウトと大谷翔平を軸として、ワールドシリーズ制覇を目指すチーム作りを進めていくことになりそうだ。

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