【MLB】菊池雄星は世界最強左腕クラス! マ軍GM独白「カーショーとレスターの融合」

マリナーズ・菊池雄星【写真:AP】

マリナーズのディポトGMが菊池獲得の経緯を改めて口にする

 西武からポスティングシステムを利用してマリナーズへ移籍した菊池雄星投手が21日のアスレチックスとの日本開幕第2戦(東京ドーム)でメジャー初登板初先発する。ジェリー・ディポトGMはFull-Count編集部の単独取材に応じ、今季4年総額5600万ドル(約59億9000万円)の大型契約で獲得した左腕について、ドジャースのエース左腕クレイトン・カーショーとカブスのエース左腕、ジョン・レスターの「融合」と絶賛している。

 21日の日本開幕第2戦でマリナーズが先発のマウンドに送り出す菊池。メガディールでの契約を決断した強化責任者は自信の補強だった。

「我々はユウセイを先発ローテーションの未来の上位の投手として獲得しました。現在27歳です。現在のマーケットではこのレベルの27歳のプレイヤーが出てくることはほとんどありません。あまりにレアな存在だったわけです。この年齢でハイレベルだけれど、メジャー経験はまだないというユニークな状況でしたが、彼は最初から我々のナンバーワン・ターゲットでした」

 東京ドームで取材に応じたディポト氏はこう語った。MLBでは選手がFA権を取得するのは、メジャー登録6年後。マイナーでタレントをしっかりと鍛え上げるMLBで、27歳の実力派左腕がマーケットに出ることは極めて稀だという。菊池の希少性がマリナーズを動かした。

 記者会見でも積極的に英語で発信し、チームメートとも積極的にコミュニケーションを重ねる菊池。マリナーズへの適応については満点を与えている。

「ユウセイのチームへの適応はファンタスティックだよ。まず人として素晴らしい。いいやつで素晴らしいチームメートだ。とてもスマートで、偉大な選手になりたいという情熱を抱いている。毎日ハードワークしている。90マイル中盤のファストボール、抜群のカーブとスライダーがある。我々はすでにスプリングトレーニングで96マイル(時速154キロ)のファストボールを目にしている。カーブの切れ味もいいね」

日本人左腕の片鱗を高く評価「クレイトン・カーショーとジョン・レスターの融合に見えます」

 ディポト氏はスプリングトレーニングで見せた日本人左腕の片鱗についても、高く評価していた。

 現役時代投手としてメジャーでプレーし、ロッキーズ、ダイヤモンドバックス、エンゼルスでスカウトと強化担当を歴任してきたディポト氏の目には菊池と重なるメジャーのエースが2人いるという。

「私にはある意味、クレイトン・カーショーとジョン・レスターの融合に見えます」。ディポト氏はこう語った。

 前田健太投手の同僚でサイ・ヤング賞3度受賞のカーショーはメジャー通算153勝、そして、レッドソックスとカブスで3度ワールドシリーズ制覇に貢献しているレスターは通算177勝。いずれもメジャーを代表する名投手だが、ディポト氏は両左腕の融合とまで絶賛した。

 菊池、カーショー、レスター。3人の左腕のキーワードはファストボールだという。

「ユウセイが他の左腕と違う部分は、ファストボールでストライクゾーン高めで勝負できるところです。カーショーとレスターはそれができますが、メジャーでも多くの左腕はユウセイのようなファストボールを持っていないのです」

 高めで勝負できる最速158キロのファストボールは左腕として何よりの武器になる。マリナーズの看板を託すことになる菊池に、ディポト氏は盤石の信頼を寄せていた。(Full-Count編集部)

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