WEC:ロッテラー&バイコレスが復帰。“ル・マン前哨戦”第7戦スパのエントリーリストが発表

 WEC世界耐久選手権は5月2~4日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで行われる2018/2019年“スーパーシーズン”第7戦スパ6時間の暫定エントリーリストを発表した。

 2018年5月から2019年6月までの約13カ月に渡り全8ラウンドで争われるWECスーパーシーズンも、アメリカでのセブリング1000マイルを終え、いよいよラスト2戦となった。次戦はそのコースレイアウトからもル・マンの“前哨戦”に位置づけられるスパ6時間だ。

 今季2度目となるスパラウンドにはLMP1、LMP2クラスに前戦から1台ずつエントリーが増え、LM-GTEプロとLM-GTEアマを含む全4クラスでは計35台が出走することになった。

 LMP1クラス内のトピックスは複数あるが、そのなかでも大きいものは第6戦セブリングを欠場したバイコレス・レーシング・チームのシリーズ復帰だろう。

 同チームは事前の報道のとおり、オリジナルシャシー『ENSO CLM P1/01』に搭載するエンジンのパートナーをニッサン/ニスモから、レベリオン・レーシングとドラゴンスピードも使用しているギブソン・テクノロジーにスイッチしている。なお、ドライバーラインアップは3人中2名がTBAとなっており、トム・ディルマンのみが暫定エントリーリストに掲載された。

 この他のチームでは、レベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソンに、前戦の欠場によって“WEC皆勤賞”が途切れたアンドレ・ロッテラーが復帰する。また、ドラゴンスピードではプラチナドライバーのランガー・バン・デル・ザンデがIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権を優先するため、スパラウンドをスキップ。代わって富士と上海で同チームに加わったジェームス・アレンが三度10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソンをドライブすることになった。

 LMP2クラスではELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ王者のGドライブ・レーシングがル・マン24時間以来、5戦ぶりにスポット参戦する。

 日本のスポーツカーファンの間でも人気の高いロマン・ルシノフが率いるチームは今回、元F1ドライバーで現ABBフォーミュラE選手権チャンピオンのジャン-エリック・ベルニュに加えて、ELMS LMP3チャンプのヨブ・バン・ウイタートを迎える。このオールチャンピオントリオはLMP2クラスを掻き乱す存在になりそうだ。

 LM-GTEプロクラスと同アマクラスに大きな変更はなし。プロクラスではフェラーリ、ポルシェ、フォード、BMW、アストンマーティンの5メイクス全10台がレギュラードライバー2名のみで出走する予定だ。

ニール・ジャニ、ブルーノ・セナとともに1号車レベリオンR13をドライブするアンドレ・ロッテラー
2018年のELMSでシリーズチャンピオンを獲得したGドライブ・レーシング

■2018/2019年WEC第7戦スパ・フランコルシャン6時間 エントリーリスト(3月19日発表版)

Pos. No. Class Team Car Driver Tyre

1 1 LMP1 レベリオン・レーシング レベリオンR13・ギブソン N.ジャニ
A.ロッテラー
B.セナ MI

2 3 LMP1 レベリオン・レーシング レベリオンR13・ギブソン N.ベルトン
T.ローラン
G.メネゼス MI

3 4 LMP1 バイコレス・レーシング・チーム ENSO CLM P1/01・ニスモ T.ディルマン
TBA
TBA MI

4 7 LMP1 トヨタ・ガズー・レーシング トヨタTS050ハイブリッド M.コンウェイ
小林可夢偉
J-M.ロペス MI

5 8 LMP1 トヨタ・ガズー・レーシング トヨタTS050ハイブリッド S.ブエミ
中嶋一貴
F.アロンソ MI

6 10 LMP1 ドラゴンスピード BRエンジニアリングBR1・ギブソン H.ヘドマン
B.ハンリー
J.アレン MI

7 11 LMP1 SMPレーシング BRエンジニアリングBR1・AER M.アレシン
V.ペトロフ
B.ハートレー MI

8 17 LMP1 SMPレーシング BRエンジニアリングBR1・AER S.サラザン
E.オルジェフ
S.シロトキン MI

9 26 LMP2 Gドライブ・レーシング オレカ07・ギブソン R.ルシノフ
J.バン・ウイタート
J-E.ベルニュ DL

10 28 LMP2 TDSレーシング オレカ07・ギブソン F.ペロード
M.バキシビエール
L.デュバル DL

11 29 LMP2 レーシングチーム・ネダーランド ダラーラP217・ギブソン F.バン・イアード
G.バン・デル・ガルデ
N.デ・フリース MI

12 31 LMP2 ドラゴンスピード オレカ07・ギブソン R.ゴンザレス
P.マルドナド
A.デビッドソン MI

13 36 LMP2 シグナテック・アルピーヌ・マットムート アルピーヌA470・ギブソン N.ラピエール
A.ネグラオ
P.ティリエ MI

14 37 LMP2 ジャッキー・チェン・DCレーシング オレカ07・ギブソン D.ハイネマイヤー-ハンソン
J.キング
Wスティーブンス DL

15 38 LMP2 ジャッキー・チェン・DCレーシング オレカ07・ギブソン H-P.タン
G.オブリ
S.リケルミ DL

16 50 LMP2 ラルブル・コンペティション リジェJS P217・ギブソン E.クリード
R.リッチ
G.ジャネット MI

17 51 LM-GTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE EVO A.ピエール・グイディ
J.カラド MI

18 66 LM-GTE Pro フォード・チップ・ガナッシ・チームUK フォードGT S.ミュッケ
O.プラ MI

19 67 LM-GTE Pro フォード・チップ・ガナッシ・チームUK フォードGT A.プリオール
H.ティンクネル MI

20 71 LM-GTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE EVO D.リゴン
S.バード MI

21 81 LM-GTE Pro BMWチームMTEK BMW M8 GTE M.トムチェク
N.キャツバーグ MI

22 82 LM-GTE Pro BMWチームMTEK BMW M8 GTE A.ファーフス
A.F.ダ・コスタ MI

23 91 LM-GTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR R.リエツ
G.ブルーニ MI

24 92 LM-GTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR M.クリステンセン
K.エストーレ MI

25 95 LM-GTE Pro アストンマーチン・レーシング アストンマーチン・バンテージAMR M.ソーレンセン
N.ティーム MI

26 97 LM-GTE Pro アストンマーチン・レーシング アストンマーチン・バンテージAMR A.リン
M.マルタン MI

27 54 LM-GTE Am スピリット・オブ・レース フェラーリ488 GTE T.フロー
F.カステラッチ
G.フィジケラ MI

28 56 LM-GTE Am チーム・プロジェクト1 ポルシェ911 RSR J.ベルグマイスター
P.リンゼイ
E.ペルフェッティ MI

29 61 LM-GTE Am クリアウォーター・レーシング フェラーリ488 GTE L.ペレス・コンパンク
M.クレッソーニ
M.グリフィン MI

30 70 LM-GTE Am MRレーシング フェラーリ488 GTE 石川資章
O.ベレッタ
E.チーバー MI

31 77 LM-GTE Am デンプシー・プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR C.リード
J.アンドロウアー
M.キャンベル MI

32 86 LM-GTE Am ガルフ・レーシング ポルシェ911 RSR M.ウェインライト
B.バーカー
T.プレイニング MI

33 88 LM-GTE Am デンプシー・プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR Gia.ローダ
Gio.ローダ
M.カイローリ MI

34 90 LM-GTE Am TFスポーツ アストンマーチン・バンテージ S.ヨロック
J.アダム
C.イーストウッド MI

35 98 LM-GTE Am アストンマーチン・レーシング アストンマーチン・バンテージ P.ダラ-ラナ
P.ラミー
M.ラウダ MI

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