迫る 県議選 平成最後の戦い・8完 西彼杵郡区(定数2) 三つどもえの混戦か

 再選を狙う自民の山口経正と、自民新人の水口直喜、国民民主新人の饗庭敦子による三つどもえの戦いになりそうだ。「長与から2人、時津から1人」の構図は前回とは逆で、地盤や政党などの要因が複雑に絡む混戦が予想される。

 「今回は二つのマイナスがある」。前回、「長与から県議を」と訴えトップ当選した山口は2月上旬の事務所開きで、こう懸念を口にした。地元長与から自分以外に饗庭が、そして前回は自分を支援してくれた水口が時津から名乗りを上げたからだ。西彼杵郡区は前回、保守系が議席を独占したが、それまでは自民、民主(当時)が議席を分け合った経緯があり、「非自民の結集」も警戒する。県政報告会などを精力的に重ね、態勢固めに躍起だ。

 「時津から候補不在というわけにはいかない」。時津町議会議長を務めた水口は、同町出身で、今期で引退する自民、三好徳明の後継者探しが難航していると知り昨年末、出馬表明。自民への公認申請は地元ではなく、佐世保市内の支部を通じて出すなど、異例の経過をたどった。町シニアクラブ連合会などの推薦を受け地域を回り「出遅れた分、頑張らなければ」と浸透に懸命。自民時津支部は「特段の方針は立てていない」としており、自民票の行方は不透明感もはらむ。

 一方、非自民の議席奪還を狙う饗庭。2月下旬の事務所開きで「非自民としていろんな人に協力いただきたい」と呼び掛けた。連合長崎と立憲民主が推薦。ただスタートの遅れや知名度不足もあって後援会幹部も危機感を持つ。年末から両町の交差点数カ所で朝のつじ立ちを続け、女性票、無党派層の取り込みも視野に「悔いのない戦いをしたい」と準備を進める。=文中敬称略=

 ■立候補予定者

 ▼西彼杵郡区
山口 経正 63 自現(1)
水口 直喜 63 自新
饗庭 敦子 56 国新

 【おことわり】立候補予定者名簿の政党は衆院勢力順(自民=自、立民=立、国民=国、公明=公、共産=共、社民=社、無所属=無)。同じ政党内は現職、元職、新人の順で、当選回数(丸数字)ごとに五十音順。

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