味方のゴールを演出することを「アシスト」というが、お膳立てしたものの得点に繋がらなかったプレーのことを「キー・パス」などという。
サッカーにおけるアシストは受け手の決定力に影響される反面、キー・パス数はゴールが決まらずともカウントされるため優秀なパサーを見極める良いデータであると言える。
そこで今回は『Who Scored』より、今シーズン多くのキー・パスをマークしている、つまりは“アシスト未遂”の多い5人の選手を紹介しよう。
ジェームズ・マディソン(レスター)
チャンピオンシップで大ブレイクし、今季加入したレスターで攻撃を牽引しているのがマディソンだ。
キックの精度が高く、プレミア1位の平均2.9本のキー・パスを記録している。また、得点感覚に関してもリーグ戦でここまで6ゴールをマークするなど優れており、22歳ながら完成度は高い。
これほどのクオリティを持ちながらそこまで注目されていないのは、レスターが上手くいっていないからなのだろうか…。
マルティン・ウーデゴール(フィテッセ)
15歳でA代表デビューを飾ったノルウェーの神童も20歳になった。
レアル・マドリーでは戦力になれなかったがレンタル先のオランダで良いプレーを見せており、今季移籍したフィテッセでは司令塔としての能力が開眼。一試合平均3.3本のキー・パスをマークしている。
レベルは違えど、フィニッシャーの揃っているレアルに戻ればアシストを量産できる…かもしれない。いずれにせよ彼が類稀な才能の持ち主であることは間違いないだろう。
ケレム・デミルバイ(ホッフェンハイム)
ホッフェンハイムの10番、デミルバイはトップ下を主戦場とするレフティだ。
アシスト数こそ4本と少ないが、ブンデストップとなる平均3本のキー・パスを通しており、チャンスメイクに関しては自身の役割を全うしている。
トルコ系であり年代別ではトルコを選択していたこともあったが、A代表ではドイツを選択している。世代交代を進めているレーヴのチームでも十分にプレーできるポテンシャルを持っており、ユーロに向けての活躍に注目したい。
アレックス・テレス(ポルト)
アレックス・テレスはかつてインテルで長友とポジション争いをしていたこともあったが、ポルトガルに渡って飛躍を遂げた。
左サイドバックながら平均2.7本ものキー・パスをマークしている選手は他にはおらず、稀有な存在だ。昨シーズンも13アシストを記録するなど正確なパス、クロスを持っており、攻撃センスに秀でている。
直近ではマルセロに代わってセレソンに初招集されており、ビッグクラブからの関心も囁かれている旬の選手である。
リオネル・メッシ(バルセロナ)
攻撃面のどのスタッツをとっても今シーズンのメッシは無視できない存在だ。
得点ばかりに注目がいくが、抜群のキック精度や判断力など10番としての能力はもともとずば抜けており、チャンスメイクに長けている選手である。
29ゴールも挙げながらアシスト数、そして平均3.1本のキー・パスはどちらもリーガで堂々の1位となっている。