【MLB】イチローの契約を経済誌が絶賛 全盛期報酬の一部は引退後に支払いスタート

現役引退を表明したマリナーズ・イチロー【写真:Getty Images】

「フォーブス」が契約内容に注目「並外れたキャリア同様にただただ印象的」

 21日のアスレチックス戦後に現役引退を表明したマリナーズのイチロー外野手。日米通算4367本の安打を積み重ねてきた稀代の安打製造機は日本で9年、アメリカで19年、計28年間の華麗なキャリアに終止符を打ったが、米経済誌は引退後も巨額の収入を手にできるこれまでの契約内容に注目。「引退後の人生を豊かにする先見の明があった」と絶賛している。

「イチロー・スズキの交渉の成功は並外れたキャリア同様にただただ印象的」と特集したのは世界最大手経済誌「フォーブス」だ。MLB記録を打ち立てた2004年のシーズン262安打など、メジャー19年間で数々の記録を打ち立ててきたイチロー。米国殿堂入りの確実視されるレジェンドだが、特集では引退後を見据えた契約内容に特に注目している。

 記事によると、イチローはメジャー挑戦時(2001年)にマリナーズと契約ボーナスを含めて3年総額約1400万ドル(約15億4000万円)の契約を結んだが、そのうちの700万ドル(約7億7000万円)と利子分を後払いで受け取る内容になっていたという。

 その後、イチローは2004年から07年まで4年総額4400万ドル(約48億3600万円)でマリナーズと契約を延長。そして、記事では2007年7月に結ばれた3度目の契約について特筆している。

受け取りは引退翌年の来年1月からスタート「引退後の人生を豊かに…」

 イチローは5年9000万ドル(約99億円)の大型契約を結んだが、毎年500万ドル(約5億5000万円)分が後払いに設定されているという。総額2500万ドル(約27億5000万円)に、5.5パーセントという利子を乗せた金額をマリナーズに預けている状況で、受け取りは引退翌年の来年1月からスタートする、と記事では報じている。

 引退後の人生設計もあまりに完璧なイチロー。特集では「非の打ち所のない完璧主義者は規律、最大の努力、そして、強烈な貢献の体現者となった。彼の打撃への入念なアプローチは自身に最も厳しい基準を設定する野球選手の化身となった」と崇高なプロ意識を貫いた求道者としての一面を評価。一方で、「イチローを愛される野球選手たらしめた特質は交渉の席でも効力を十分に発揮したのだ。過去と現在の代理人の指導を経て、イチローは引退後の人生を豊かにするための、戦術的な計画を立てる先見の明を持ったのだ」と絶賛している。

 米メジャースポーツなど世界的なアスリートの中には現役時代にメガディールを手にしながら、引退後に自己破産するなど身を持ち崩す残念なケースもあるが、背番号51には引退後も経済的に豊かな日々が待っている。フィールド外でも輝く天才打者の「先見の明」に、経済誌「フォーブス」も脱帽している。(Full-Count編集部)

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