被爆者「サポーター」募集 6月から 家庭訪問などで支援

 長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)は29日、長崎市内で理事会を開き、会員以外の一般市民が被爆者を支援する「サポーター」の募集を6月に始めることを承認した。6月の評議員会で正式に決定し、家庭訪問活動などの年内開始に向けて準備を進める方針。
 昨年始める予定だったが、サポーター制度の構想が難航していた。被爆者や被爆2世らに限定する会員規約は改訂せず、サポーターは会員と別に設ける。
 田中重光会長によると、被災協は原爆症認定や被爆者健康手帳の申請などの相談を受けているが、被爆者からの相談がここ1、2年、ほとんどないという。そのためサポーター制度を導入し、サポーターが被爆者の運動や歴史について学んだ上で、被爆体験を記録。また独居や老老介護の被爆者の家庭を訪問して健康状態や悩みを聞き、被爆者支援に努める狙い。
 4、5月に家庭訪問の対象者を調査し、6月以降に20~30人ほどサポーターを募る。田中会長は「被爆者の現状を理解し、被爆者に寄り添うサポーターを増やしたい」と話した。

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