新年度の滑り出し

 新年度のスタートは新元号「令和」の話題一色に染まった。その盛り上がりに隠れた感があるが、他にも県民生活に関わる変化があった▲その一つが十八銀行と、親和銀行を傘下に置くふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の経営統合だ。来年10月の両行合併へ向けて取り組みが本格化する▲長年覇を競ってきた両行が手を結べば、銀行の経営体力が強化される一方で、今まで通りの融資が受けられるのか気を揉む取引先もあるだろう。店舗網の再編で最寄りの支店の廃止を心配する人もいそうだ。両行の店舗に掲げられた「長崎に全力」というポスター通り、本県の経済浮揚へ全力を挙げてほしい▲改正入管難民法が施行され、本県でも製造業や農業、介護などの身近な職場で、新たに働き始める外国人が増えるかもしれない。言語や慣習の違いでトラブルが起こらないよう十分に気を配りたい▲長崎市の長崎電気軌道は9年半ぶりに路面電車の運賃値上げに踏み切り、大人は10円上がって130円になった。全線均一運賃としては全国最安を維持しているものの、家計に響くと感じた人も少なくないはず▲新しい年度は始まったばかり。10月には消費税増税も控えている。この1年はどんな暮らし向きになるのだろう。身近な経済絡みの動きが気になる。(泉)

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