雲仙・八斗木に農水大臣賞 ブランドネギで後継者増 国見の急傾斜地で農地拡大

受賞の喜びを語る堀田理事長(右から3人目)ら=雲仙市役所

 農地、農村改良の優れた取り組みをたたえる「農業農村整備優良地区コンクール」の中山間地域等振興部門で、雲仙市国見町の八斗木土地改良区が最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。
 同コンクールは、全国土地改良事業団体連合会が毎年実施。農業振興部門と中山間地域等振興部門の2部門に全国30の地区・団体から応募があり、生産性の向上や担い手育成などについて有識者らが審査した。
 八斗木地区はブランド品「八斗木白葱(しろねぎ)」の栽培が盛んだが、急傾斜地で狭い農地が多いことが課題だった。2011年から17年にかけて約42ヘクタールで区画整理とかんがい施設の整備を実施。大型機械による作業効率化が進み、転作によるニンジンやブロッコリーの作付けも可能となった。
 11年度に約2億5千万円だった「八斗木白葱」の販売額は、17年度には約3億5千万円に成長。若手後継者が増加し、同地区にある小学校の児童数も増加している点なども評価された。
 11日に市役所で受賞報告会があり、金澤市長は「地区全体で農業を守ってきたことが活性化につながった」とたたえた。同土地改良区の堀田章生理事長は「受賞はこれまで頑張ってきた先人たちのおかげ。次世代にも安心して農業ができる環境を引き継いでいきたい」と話した。
 農業振興部門では西海市の丸田地区も大臣賞を受けた。同コンクールの県内の大臣賞受賞は八斗木地区と丸田地区が加わり計6地区となった。

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