全国の離島初のガールズケイリン選手 7月デビュー

鬼岳の麓でダッシュ練習に取り組む出口さん=五島市上崎山町

 長崎県五島市出身の出口倫子(いでぐちみちこ)さん(22)が今春、日本競輪学校(静岡県)を卒業し、プロの競輪選手としての一歩を踏み出す。全国の離島出身者としては初の女性選手。7月の「ガールズケイリン」デビューに向け、五島の起伏に富んだ道路で練習を重ねている。
 小学生のころ、市内で開催されたトライアスロン国際大会で疾走する選手の姿に感動し、小学4年からトライアスロンに挑戦。県立五島高進学後、本格的に自転車競技を始めた。
 日本競輪学校には昨年5月に入学。全国から集まった男女選手90人で寮生活を送り、11カ月間の厳しい練習に打ち込んだ。落車して骨盤を痛めるなどのアクシデントもあったが、順調にタイムを伸ばし、「入学前に着ていたスーツが入らない」ほど体も一回り大きく成長した。
 3月にプロ選手になるための実技や学科試験などの国家試験を受け、合格。5月に佐世保競輪場(佐世保市干尽町)を拠点にする日本競輪選手会長崎支部の選手として登録される。現在は五島市を拠点に、毎朝5時半ごろから鬼岳周辺でロード練習をしたり、市内のジムでウエートトレーニングをしたり。三井楽町周辺のトライアスロンコースで約100キロの長距離練習にも取り組んでいる。
 18日には五島市役所に野口市太郎市長を訪問。野口市長は「五島で練習してくれるのはうれしい。市民と共に応援したい」とエールを送った。出口さんは「プロスポーツの世界なので、気を引き締めて練習に取り組み、多くの五島の方に応援してもらえる選手になりたい」と意気込んでいる。

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