ペトルッチがMotoGP第4戦スペインGP初日で総合トップ。中上はトップから0.2秒差の総合7番手

 MotoGP第4戦スペインGPのフリー走行1回目、2回目がヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、MotoGPクラスはダニロ・ペトルッチ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)が初日総合のトップタイムを記録した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は、フリー走行1回目で4番手につけ、総合としてはトップからわずか0.225秒差の7番手で初日を終えている。

■FP1:中上、トップから約0.2秒差の4番手

 第4戦を迎えるMotoGPは、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトからヨーロッパラウンドが始まる。また、このグランプリにはホンダのテストライダー、ステファン・ブラドル(チームHRC)とアプリリアのテストライダー、ブラッドリー・スミス(アプリリア・ファクトリー・レーシング)がワイルドカードとして参戦している。

 金曜最初のセッション、フリー走行1回目は気温20度、路面温度28度のドライコンディションのもと、スタート。序盤にトップタイムをマークしたのはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)で、1分38秒450を記録。2番手には同じく1分38秒台のタイムでアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)、3番手にはダニロ・ペトルッチ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)、4番手にはジャック・ミラー(プラマック・レーシング)とドゥカティ勢が続く。

 セッション中盤、ホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)がマルケスから約0.3秒差の2番手に浮上。ロレンソはこれまでの3戦で苦戦が続いていたが、このセッションでは序盤から10番手以内につけていた。

 残り時間20分で、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が5番手タイムをマーク。ここでトップ5はマルケス、ロレンソ、ドヴィツィオーゾ、ペトルッチ、中上で、ホンダ勢、ドゥカティ勢が上位を占めていた。しかし中上がタイムを更新して間もなく、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が自己ベストを叩き出し、2番手につける。

フリー走行1回目で、一時トップに立ったロレンソ

 セッション終盤、残り時間5分を切るころになると、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)、ミラー、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)などが続々とタイムを更新。そんななか、ロレンソが1分38秒045を叩き出し、ついにトップに浮上する。そんなロレンソに続いて2番手タイムをマークしたのが中上で、ロレンソとの差はわずか0.135秒というものだった。

終盤のアタックでタイムを更新。フリー走行1回目を制したマルケス

 そのままロレンソがこのセッションを制するかと思われたが、マルケスが1分37秒台のタイムを記録して再びトップに浮上。マルケスは最後のアタックでさらにタイムを更新し、1分37秒921をマークしてこのセッションを制した。

 2番手はロレンソ、ラストアタックでタイムを短縮したビニャーレスが3番手に続き、中上は最終的に4番手と好発進。中上は2018年11月に同サーキットで行われた公式テストをトップで終えており、いい印象をそのまま維持する形となった。5番手にはドヴィツィオーゾ、ルーキーのファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が6番手。前戦アメリカズGPで2位表彰台を獲得したロッシは18番手に沈んでいる。

フリー走行1回目を4番手で終えた中上

■FP2:ドゥカティファクトリーがワン・ツー飾る

 フリー走行2回目は気温25度、路面温度46度のドライコンディションで行われた。フリー走行1回目から路面気温が上昇し、序盤はリヤにハードタイヤを選択するライダーが多いなか、マルケスはただひとり、リヤにソフトタイヤを選択。フロントにはミディアムタイヤを履き、このタイヤセットで序盤にトップタイムをマークする。

 セッション折り返しの時点で、トップは変わらずマルケス。2番手にペトルッチ、3番手にドヴィツィオーゾが続く。フリー走行1回目を4番手で終えた中上は、このセッションでもいい流れをキープ。4番手につけていた。

 残り時間10分、ヤマハ勢はそれまで上位に食い込めずにいたが、ビニャーレスが5番手に浮上する。

 トップを維持するマルケスは2回目のピットストップを終えて前後ともにハードタイヤに変更し、自身のトップタイムを更新した。ちなみに終盤には、多くのライダーがフロントにミディアム、リヤにハードタイヤを履いて走行している。

 終盤に入ると各ライダーが相次いでタイムを更新。そんななか、ペトルッチが1分37秒909を記録してトップに浮上する。

 残り時間3分を切ったところで、カレル・アブラハム(レアーレ・アビンティア・レーシング)とスミスが5コーナーで転倒。赤旗が提示され、セッションは一時中断となった。その後間もなく、走行は再開されている。

フリー走行2回目でトップタイムを記録し、初日総合でもトップに立ったペトルッチ
ドヴィツィオーゾが2番手につけ、ミッション・ウィノウ・ドゥカティがワン・ツーでフリー走行2回目を終えた

 再開後の走行時間が短かったこともあり、フリー走行2回目は、終盤にトップタイムをマークしたペトルッチがそのまま制した。2番手にはドヴィツィオーゾがつけて、ミッション・ウィノウ・ドゥカティのふたりがフリー走行2回目でワン・ツーを果たした。ペトルッチはこのタイムで、総合トップで初日を終えている。

クラッチローはフリー走行2回目で3番手タイム。初日総合としては5番手につけた

 3番手にはカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)が続き、フリー走行1回目にトップタイムをマークしたマルケスは4番手。ヤマハ勢トップは5番手のビニャーレスだった。

 初日総合としてはトップのペトルッチに続き2番手マルケス、3番手にドヴィツィオーゾがつけ、4番手にロレンソ、5番手がクラッチローと、トップ5をホンダ勢とドゥカティ勢が占めた。ヤマハ勢のトップは6番手のビニャーレスで、ロッシは16番手だった。中上はフリー走行2回目の終盤まで上位をキープし、最終的には8番手、初日総合としてはトップから0.225秒差の7番手でセッションを終えている。

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