成功に向け努力を NPT準備委へ共同声明計画 田上市長会見

NPT再検討会議第3回準備委員会への参加を振り返る田上市長=長崎市役所

 米ニューヨークの国連本部で開かれている2020年核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会に参加した田上富久長崎市長は8日、市役所で記者会見した。自身が副会長を務める非政府組織(NGO)平和首長会議を中心として、準備委の成功に向け各国の努力を求める共同声明を国連に提出したい考えを示した。10日の準備委最終日までの提出を目指し、内容を調整中という。

 田上市長は準備委が開幕した4月29日から5月3日まで参加した。核軍縮に向けた米国とロシアの対話や核兵器禁止条約の早期発効を訴える演説をし、各国大使らとも意見交換した。

 核保有国と非保有国などの溝が埋まっていない現状について、田上市長は「国同士の信頼欠如を肌で感じた。一方で成果を出せるように前向きな大使もいるので応援したい」と語り、平和首長会議では初の試みとして、他のNGOと連携して共同声明を出す準備を進めていると明らかにした。

 同会議は03年に発表した行動指針で20年までの核廃絶を目標としているが、田上市長は「現実には難しい」と述べ、来年の同会議総会で新たな行動指針を決めるとした。

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