【バレーボール】流れに乗り切れず連勝ならず 終盤の戦い方に課題を残す/春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第9戦 vs順大

吉田(左)と清水(右)のブロック

先月末に掴んだリーグ戦初勝利から2週間。汚名返上へ、負けられない戦いはまだまだ続く。この日は、順大と対戦した。第1セットは幸先よく取ったものの、第2セット以降は流れを掴み切れない展開が続く。どのセットでも相手に突き放されることはなかったが、もう一本が出ず、連勝とはならなかった。

2019年5月11日(土)

春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第9戦 慶大×順大

@小田原アリーナ

得点
慶大	セット	順大
25	1	21
19	2	25
19	3	25
20	4	25
出場選手(サーブ順)
ポジション	背番号	名前(学部学年・出身校)
WS	23	小出捺暉(環2・駿台学園)
MB	9	降小雨(商1・慶應)
OP	21	富澤太凱(経4・慶應)
WS	5	宮川郁真(総3・松本県ヶ丘)
MB	12	清水柊吾(総3・広島城北)
S	1	吉田祝太郎(政3・慶應)
Li	7	永田将吾(総2・高松)
Li	17	加藤真(商3・慶應)
途中出場	6	片波見和輝(文4・成田)

試合開始前に作戦を確認するMB4人

第1セット、小出捺暉(環2・駿台学園)のサーブからスタート。相手の速攻で連続得点を許すも、相手WSのスパイクに対するMB降小雨(商1・慶應)とOP富澤太凱副将(経4・慶應)のブロックで今日初得点。互いにブロックやスパイクがうまく決まるものの小さなミスも見られ、取って取られてが続く。先に抜け出したのは慶大。富澤のバックアタックから4連続得点でついに逆転する。相手がタイムアウトをとったあとも富澤を中心に得点を重ね、最初のセットを先取した。

宮川のスパイク

第2セットもブロックは冴えわたる。開始直後から富澤や降の1枚ブロックが決まるなど、5連続得点。だが「僕たちがリードする展開に慣れていなかった(富澤)」と、相手の2度目のタイムアウトからはタッチネットやホールディングなどの反則が重なり、逆転を許す。それでも19-22までもっていったが、終盤に自分たちのミスが重なり、セットカウントで並ばれてしまう。

再びリードを奪いたい第3セット。相手のリードブロックをセッターが上手くかわしWS小出が決めれば、降と富澤のブロックポイントでこのセットも序盤は優勢と思われた。だが相手も譲らず、長いラリーを取りきれない展開が続く。15−15の場面から、慶大は攻撃が噛み合わなくなり、タイムアウトを挟んで5連続失点と大きく離されてしまう。終盤はブレイクのきっかけも作れぬまま、慶大はこのセットを落とした。

富澤にボールが集まる

ところどころ連続得点を決めるも、リードを奪ってもなかなか自分たちのムードを作れない。そんな悪い流れは最終セットでも抜け出すことができなかった。MB清水柊吾(総3・広島城北)がブロックにクイックに躍動し、小出も中に回り込み相手ブロックを撹乱。終盤のタイムアウトのあと、Li加藤真(商3・慶應)のトスからS吉田祝太郎(政3・慶應)のスパイクが決まり、20−20で並んだ。宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)のバックアタックなど一矢報いるかと思われたが、相手に粘られ逆転とはならず。最後は相手の連続サービスエースで突き放され、最終セットを落とした。

ひとつひとつの「点」は十分な力を持っている

「勝ちきれそうで勝てなかった(加藤真)」。この言葉がこの試合の全てを表している。落としたセットは全て競りながらも、終盤に突き放され終わっている。体力面やミスが続いた後の立て直し方など、課題は多いかもしれない。だが、冴えわたるブロックや速攻は間違いなく相手にとって脅威だった。宗雲監督の言葉を引用するなら、それぞれの良い点が繋がり、線になることができれば、まだまだ悲観する必要はないはずだ。

(記事:竹内大志 写真:八幡藍・菊池輝・藤澤薫)

以下、コメント

宗雲健司監督

――前回の初勝利からはどのような練習を
特に変わらないです。いつもと変わらず、特に何か大きな変化をするわけではなくて、いつもと同じ練習をしっかりやるというだけでしたね。

――前回と同じく第1セットを取りました
それくらいの力はあるんだなと思いますね。ブロックが良かったので、それで向こうがひるんでくれました。

――第2セットは開始から5連続得点でした
そうですね。でもそのあとがね。あそこは崩れたというよりは、富澤がマークされて、彼の決定率がガクっと下がって。富澤以外の選手の決定率も上がらなかったですよね。2、3セット目を取れなかった要因はそこにあると思います。点と点では良い部分もあったがそれが繋がらない。線にならないと。オプションの数の差ですね。点を取れなくなった時に2の矢、3の矢が続かないから。

――流れを掴めなかったのはなぜでしょう
サーブミスはお互いにありました。富澤を楽に打たせるために4セット目にミドルブロッカーを入れ替えたりしたんですけど、特に大きな効果があったわけでもないので、決定率が下がってしまったことがやはり原因だと思います。

――サーブミスはあまり気にされないのですか
そうですね。ただ、今日の富澤はあまり良くなかった。あと、ピンチサーバーがサーブミスしてしまうのは論外かな。そこがまだ、必ず入る中でも良いサーブを持っていないということですかね。一か八かのサーブしか出せていないので。

――明日以降に向けて
選手にも言いましたが、少しでも早く切り替えて明日へもっていかないと。気持ちをリセットするのにかかる時間は個人個人でバラバラなので、明日ここにきたときは今日の最初のように、明日は明日の試合のみに集中できるように準備しに来てほしいです。

富澤太凱副将(経4・慶應)

――今日の試合を振り返って
1週空いて、チームの雰囲気はまずまずな状態で入れて、第1セットもすごく入りが良かったんですけど、その後自分たちの形っていうのがなかなか作り出せなくて、悔しい試合になりました。

――第1セット、チーム全体的に好調でした
相手の攻撃がいくつか特徴的なのがあったので、そこをしっかりブロックで仕留められたのは大きい収穫だったと思います。

――第2セット以降は失速してしまいました
そうですね、体育館のコンディションもありましたし、僕たちがリードする展開に慣れていなかったというか、いくつか要因はあったので、そこを見つけられたのがある程度の収穫なのかなとは考えています。

――ご自身のプレーを振り返って
僕個人としては1セット目はまずまずな入りだったんですけど、やっぱり後半に失速して勝負所に決めきれないっていうところで自分としても反省が多いセットだったと思います。ある意味、このゲームを悪い流れに持っていったのも自分ですし、そこは4年としてまだまだ甘かったなと考えています。

――残りの試合に向けて意気込みを
負ければ入替戦らしいので、1つも落とせないセットが続きますが、やっぱり慶應らしさっていうのを失わずに戦っていけたらなというふうに考えています。

清水柊吾(総3・広島城北)

――今日の試合を振り返って
今日はどのセットも序盤は良かったんですけど、こっちが連続得点したあとのサイドアウトが取れなかった、それを終盤まで引きずっちゃったのが、敗戦の原因かなって思っています。

――サイドアウトが取れないのはどうしてでしょう
どうしてなんですかね?わかんないです。こっちが連続得点をばーっとしたあとのサイドアウトが切れなくて、そこから一気にいかれちゃって。原因はよくわからないです。気持ちじゃないですかね。

――ブロックが機能していました
一応ローテ(ローテーション)ごとにちゃんと作戦は組んでいました。なかなか上手いこといかなかったんですけど、中盤くらいからしっきり止めるようになったので、そこは良かったかなと。でもネッチ(タッチネット)とか、いらないミスが何本かあったので、そこは直したいです。

――サイドアウトのお話が出ましたが、そのほかに第2セット以降取れなかった要因は
終盤がすごく弱かったですね。結局こっちがリードしてて、追いつかれるんですけど、そこから追いつかれて終盤までいくけど、最後に一気に向こうに取られたので。終盤の力不足じゃないですけど、あとは強いて言うなら体力ですね。

――学芸大戦では「よくなかった」とおっしゃっていましたが、今日のご自身のプレーは
今日は、学芸の日よりは良かったんじゃないかなと思います。ただ、クイックで合わないときにそのまま失点にしちゃうのが2点あったので、そこはやっぱり失点にならないようにしないといけないなと思います。

――良くなかった点を先ほどお聞きしましたが、今日のチームの良かった点は
良かった点は、最初、作戦通りにやることがしっかりできていて、序盤走れたことですね。

――明日の駒大戦に向けて
とりあえずもう勝たないと必然的に入替戦になっちゃうので、しっかり切り替えて、明日と来週は勝ちにいきたいと思います。

加藤真(商3・慶應)

――今日の試合を振り返って
ミーティングで詰めたことと、間の1週間で練習してきたこととが随所に見られたので、やってきたことは出せたのですが、勝ちきれそうで勝てなかったことが悔しいですね

――チームの雰囲気はいかがでしたか
負けられない試合が続いているので、やってきたことをやろうと間宮さん(間宮秀太コーチ)から言われたこともあり、サーブとレシーブというのを意識して取り組もうという感じでした。

――サイドアウトが続いた第3・4セットを取り切れなかった要因は何でしょう
すごく暑く、体力が持っていかれてしまい、最後スパイカー陣の体力がきつそうな感じでした。そこで体力があれば、いけた場面もあったと思います。

――ご自身のプレーについては
僕自身はそんな運動量は多くなかったので、動いてサーブカット取りに行こうという
意識はあったのですが、パスが返ってトスが上がっても、決めきれないという部分がきつかったかなと思います。

――次戦に向けて
なかなかしんどい試合が続くのですが、明日は勝てるように頑張りたいと思います。

宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)

――今日の試合を振り返って
内容としては、準備してきたことが1セット目で全て発揮され、2セット目の序盤も5点先に先行できて、チームとして理想的な形でスタート切れたんですけど、だんだん自分たちのミスで陣形を崩してしまいました。相手には何もやられてないけど、自分たちのミスで負けてしまった感じです。

――サーブに関しては
ジャンプサーブに関しては、そんなに強いサーブではなかったんですけど、ちょっとしたズレがチームとしては点差につながってしまったのではないかと思います。

――ブロックに関しては
1セット目は上手くハマったんですけど、それが継続してできていなかったです。個人的には体力面でしんどくて、自分は1セット目は良いプレーもあったんですけど、それが4セット目まで持たなかったです。最後まで持っていれば、うちのゲームだったと思います。

――バックアタックが見られましたが
(吉田)祝太郎さんとここ1週間くらい合わせる機会があって、個人的にも祝太郎さん的にも良い感触があったので、タイミングは合ったんですが、決まらなかったですね。

――次戦に向けて
残り2戦、自分たちのやることは明確になってきているので、相手どうこうではなく自分たちのやるべきことをしっかりやれば結果は出るんじゃないかと思います

順位(5月11日終了時点)
順位	大学	勝利数	セット率
1位	早大	9	13.5000
2位	東海大	8	3.4286
3位	筑波大	6	1.5385
4位	明大	6	1.4000
5位	中大	6	1.3571
6位	日体大	5	1.1176
7位	専大	4	0.6842
8位	順大	3	0.7500
9位	駒大	3	0.5714
10位	日大	2	0.6818
11位	学芸大	1	0.3077
12位	慶大	1	0.2917

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

なお、下位2チームは1・2部入替戦に回る。

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