政府からの支援打ち切りで、2020年からのF1メキシコGP開催継続に暗雲

 メキシコGPはリバティ・メディアとの契約を確保できておらず、2020年のF1カレンダーから脱落する可能性が高まっているようだ。

 今年2月、メキシコ大統領のアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールは、政府によるメキシコGPへの財政支援をほぼ確実に打ち切ることを明らかにした。

 メキシコGP主催者のコルポラシオン・インテルアメリカーナ・デ・エントレテニミエント(CIE)は、レースに関連する年間8億ペソ(約46億400万円)の補助金を支給するよう政府を説得できず、状況は危機に瀕している。

 さらにCIEは、2019年のメキシコGP後に満了する既存契約の延長について、F1の商業権保有者リバティ・メディアと合意に至ることができなかった。

 メキシコGPは将来の見込みが不透明なレースのひとつだが、セルジオ・ペレスのホームでもある同レースの行く末は、今となっては決まってしまったようにも見える。

 F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは、2020年のスケジュールも21戦で構成されると発表している。2020年にはハノイとザントフォールトがスケジュールに追加されるため、既存の2レースが必然的にF1カレンダーから外されることになる。

 メキシコ脱落は既定の事実のようにも思えるが、シルバーストン、モンツァ、バルセロナ、ホッケンハイムの各会場も、いまだ2020年以降の新契約をF1と締結できていない。

 イギリスGPについては新契約が間もなく締結されると考えられている。一方モンツァはリバティ・メディアと基本合意に達しており、2019年夏に契約が締結される予定であることを発表している。

 バルセロナのカタロニア・サーキットは、F1とスペインGP開催契約を更新する過程にあると主張しているが、2020年のF1カレンダーにスペインGPが残る可能性については多くの疑問が持たれている。

 ホッケンハイムにおける2020年以降のレースの将来は、メルセデスがドイツGPへのスポンサーシップを継続するか否かにかかっている。ドイツGP開催にはタイトルスポンサーからの資金提供が必須だからだ。

「我々が行使するものではないが、2020年に向けて契約を1年延長するオプションがある。オプションが行使されるかどうかについては、今のところ我々には決定権がない」とホッケンハイムのマーケティング責任者であるヨルン・テスケは『RaceFans.net』に語った。

「タイトルスポンサーシップ延長の決断がメルセデスにとって重要なポイントとなっており、そのことが決定を左右する要点になるかもしれない」

「もしリバティ・メディアがドイツでタイトルスポンサーシップに関心を持つ新たなパートナーを見つければ、それはチャンスとなるだろう」

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