ホンダ高橋巧が圧勝で3連続ポール・トゥ・ウイン/全日本ロード第3戦JSB1000レース1

 全日本ロードレース選手権JSB1000クラスは5月25日、スポーツランドSUGOで第3戦の決勝レース1が行われ、高橋巧(Team HRC)が優勝した。

 第3戦SUGOのレースフォーマットは2レース制。決勝レース1は25周で争われる。また、SUGOで2輪レースが開催される場合、110Rと最終コーナーの間にあるシケインを使用するレイアウトでレースが行われる。

 午前中に行われた予選では、高橋が自身が持つSUGOのコースレコード、1分26秒490を上回る1分25秒641をマークしてポールポジションを獲得。2番手は野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)、3番手は中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)というフロントロウの並びになった。

 25周で争われるレース1は、予選の結果により24台が決勝グリッドに並んだ。天候は午前中と同じく快晴。手元集計で気温26度で路面温度も高いと思われるコンディションで15時からレースがスタートした。

 迎えたスタートでホールショットを決めたのはポールスタートの高橋。好スタートを決めた加賀山就臣(ヨシムラスズキMOTUL)が2番手、渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)が3番手に浮上する。2番手からスタートした野左根は4番手、3番手スタートの中須賀は5番手に後退した。

 スタートで出遅れた野左根はハイポイントコーナーを抜けたところで渡辺一馬を交わし3番手に。2周目の1コーナーで加賀山も交わして2番手に浮上する。

 スタートで5番手に後退した中須賀も1周目に順位を挽回。2周目には馬の背で3番手の加賀山を交わして2番手の野左根を追う。

野左根航汰と中須賀克行による2番手争い

 2周を終えた時点で高橋と野左根のギャップは1.4秒に。2番手の野左根も食らいつこうとするが、高橋は野左根よりも約0.5秒速いペースで周回し、じりじりとその差を広げていく。

 後方では4番手争いが接近。加賀山を先頭に渡辺一馬、渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)、岩戸亮介(Kawasaki Team GREEN)の戦いに。4周目に1コーナーで渡辺一馬、岩戸の2台が加賀山に仕掛ける。渡辺一馬は若干ラインを外すものの、2コーナーで挽回して4番手に浮上。岩戸は加賀山に仕掛けた際に1コーナーでオーバーランして8番手に後退する。

渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)

 8周目には後方から迫った渡辺一樹が渡辺一馬に接近。渡辺一樹が1コーナーで渡辺一馬を捕えて4番手に浮上する。

 10周を終え、高橋と野左根の差は4秒9まで広がる。野左根の後方からはコンマ1秒以内の差で中須賀がぴたりとつける。

 4番手争いは12周目にはいってもバトルが継続。5番手の渡辺一馬が前を走る渡辺一樹に接近。14周目に1コーナーで渡辺一樹を交わして4番手を奪った。4番手争いの後報からは、水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)が接近し、渡辺一馬、渡辺一樹の争いに加わっていく。

 13周目の終わりに入ると渡辺一樹がシケインの立ち上がりで転倒。再スタートは切れたものの、21番手と順位を大きく落とし、15周目にはマシンをピットへと戻しリタイアとなった。

 17周目には2番手争いが動く。1コーナーで中須賀が野左根に仕掛けるも、ここは野左根がブロック。しかしその際、野左根は立ち上がりでラインがふくらみ、その隙をついて中須賀が野左根から2番手を奪った。

 交わされた野左根は後退するこなく、中須賀に食らいつく。18周目にはバックストレートで中須賀を交わして2番手に。だが中須賀も19周目に再び仕掛け、野左根から2番手を奪い返す。

 20周目以降、中須賀と野左根による2番手争いはコンマ2秒以内でこう着状態になる。

ウイリーを決めてフィニッシュする高橋巧(Team HRC)

 一方、先頭を走る高橋はトップを一度も譲ることなくファイナルラップへ。そののまま周回し、2番手に6秒828の差をつけて3戦連続ポール・トゥ・ウインを決めた。

 2位は中須賀、野左根は3位でチェッカー。4番手争いは終盤、水野と渡辺一馬による激しいドックファイトとなったが、最後は水野涼に軍配。水野が4位、渡辺一馬が5位でフィニッシュした。

 全日本ロードレース第3戦SUGOのレース1順位結果は以下の通り。

ヤマハファクトリーのチームメイトバトルは中須賀に軍配
水野涼と渡辺一馬とのバトル

■全日本ロードレース選手権第3戦SUGO

JSB1000クラス決勝レース1順位結果(25周)

Pos. No. Rider Team Motorcycle Type TotalTime/Delay

1 13 高橋巧 Team HRC ホンダCBR1000RR SP2 BS 36’12.423

2 1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM ヤマハYZF-R1 BS 6.828

3 4 野左根航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM ヤマハYZF-R1 BS 7.173

4 634 水野涼 MuSASHi RT HARC-PRO.Honda ホンダCBR1000RR SP2 BS 25.946

5 23 渡辺一馬 Kawasaki Team GREEN カワサキNinja ZX-10RR BS 26.142

6 12 加賀山就臣 ヨシムラスズキMOTUL スズキGSX-R1000L9 BS 30.560

7 64 岩戸亮介 Kawasaki Team GREEN カワサキNinja ZX-10RR BS 37.454

8 75 前田恵助 YAMALUBE RACING TEAM ヤマハYZF-R1 BS 38.841

9 090 秋吉耕佑 au・テルルMotoUP RT ホンダCBR1000RR SP2 BS 55.045

10 44 関口太郎 Team ATJ ホンダCBR1000RR SP2 BS 57.251

11 35 亀井雄大 Honda Suzuka Racing Team ホンダCBR1000RR BS 1’05.882

12 3 M.アチソン KRP三陽工業&RS-ITOH カワサキZX-10RR BS 1’06.596

13 18 津田一磨 Team Baby Face ヤマハYZF-R1 BS 1’22.632

14 87 柳川明 will-raise racingRS-ITOH カワサキZX-10RR BS 1’26.827

15 19 濱原颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ ホンダCBR1000RR SP2 BS 1’27.392

16 46 星野知也 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW・S1000RR PI 1 Lap

17 85 中冨伸一 HiTMAN RC甲子園ヤマハ ヤマハYZF-R1 DL 1 Lap

18 36 今野由寛 Moto Map SUPPLY スズキGSX-R1000R BS 1 Lap

19 30 須貝義行 チームスガイレーシングジャパン アプリリアRSV4 RF BS 1 Lap

20 080 羽田太河 au・テルルMotoUP RT ホンダCBR1000RR SP2 BS 1 Lap

– 71 津田拓也 TK SUZUKI BLUE MAX スズキGSX-R1000 DL 9 Laps(リタイア)

– 26 渡辺一樹 ヨシムラスズキMOTUL スズキGSX-R1000L9 BS 10 Laps(リタイア)

– 70 清末尚樹 TEAM WITH 87 KYUSYU カワサキZX-10RR BS 16 Laps(リタイア)

– 95 生形秀之 エスパルスドリームレーシング スズキGSX-R1000 BS 23 Laps(リタイア)

© 株式会社三栄