「為替」関連倒産(5月度速報値)

 5月の外国為替市場での円相場は、31日に1ドル=108円台を付け、約4カ月ぶりの円高・ドル安水準となった。米国の中国からの輸入品に対する追加関税引き上げやメキシコへの制裁関税発言を受けて、リスク回避を目的とした円買い・ドル売りが優勢になった。
 企業倒産は沈静化が続くなか、速報値ながら5月の「円安」関連倒産は4カ月ぶりに1件(前年同月1件)発生した。また、「円高」関連倒産は4カ月連続で発生なし(同ゼロ)だった。

5月の倒産事例

 小型モーターメーカーのフジマイクロ(株)(TSR企業コード:320072886、東京都)は千葉県市原市と福島県いわき市に工場を構えて事業を展開、1995年に中国工場を開設し徐々に生産体制を中国へシフトした。しかし、競争激化などから業績不振となるなか、中国の新工場がトラブルで移管できず、旧中国工場の従業員によるストライキが発生、円安による採算悪化もあり、2015年3月期には債務超過に陥った。モーターの卸売に業態を変更したが、納品遅れや品質クレームの発生で業況が悪化、再建が遅れ、破産を申請した。

円安関連倒産月次推移
円高関連倒産月次推移

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